フィットネスジムの「ライザップ」グループは14日(2018年11月)、今期の業績予想を大幅に下方修正し、最終損益は当初159億円の黒字から70億円の赤字になる見込みと発表した。
瀬戸健社長は「期待を大きく裏切る結果になってしまい、申し訳ない」と謝罪した。
瀬戸健社長「大きくすることばかりを考え、グループ再生遅れた」
売上高1000億円超の巨大グループに成長したライザップに何が起こったのか。水曜コメンテーターの浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)は長く瀬戸社長を取材していた。
ライザップグループはこの5年間で年間売り上げを239億円から約6倍の1362億円に伸ばしてきた。成長の最大の要因は積極的なM&A(企業の吸収と合併)で、グループ傘下の企業数も10社から85社と、75社も急増した。本業の美容健康部門以外に、アパレル、住関連ライフスタイル、エンターテインメントにも手を伸ばした。
赤字転落の原因について、浜田はこんな指摘をした。「買収企業の収益を見込んで売り上げに換算し、それで黒字をはじき出してきたんですが、見立てが甘かったのではないでしょうか。2021年に売り上げ3000億円と宣言しており、結果にコミットしたくて、M&Aを進めてきたのではないか」
瀬戸社長も「成長のためにM&Aで大きくすることばかりを考え、グループの再生が遅れた」と語っている。
企業が成長するための第2段階
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「グループを大きくしたい時、本業と関係なく大きくすることがありますよね。野球でも、チームを買っても人がついてこないと勝てないように、人がついてこなかったというのもあると思う」
作家の吉永みち子「買収しすぎて、太りすぎて赤字になっちゃたのね」
ライザップは拡大路線を変更する方針を示している。
テレビ朝日解説委員の玉川徹は「会社が成長する第2の段階に入ったんでしょうね」と見る。グループもダイエットを試みるわけだが、急速なリストラは反動が大きい。