医者の「余命宣告」当たらない!あと1年といわれて5年・・・収入ないし治療費は続くで大変!

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   「余命1年」と医師から宣告され、それなりの準備を整えたが、5年経っても元気でいるとどうなるか。福岡・久留米市で建築関係の事務所を開いていた笠井駿さん(71)は、妻と離婚し、娘たちも独立して一人暮らしだった。2013年1月に顔と上半身がただれ、顔は膨れ上がってまるで別人だった。医師の診断は、成人T細胞白血病(ATL)だった。ウイルスが原因の白血病で、発症すると治療が難しい。

   家族を集めた前で、医師は「120%、次の誕生日は迎えられない」と言った。残り11か月だった。年内に死ぬと思い定め、死への準備を始めた。事務所をたたみ、取引先に挨拶し、墓の手配をしたうえで遺書を書き、身辺を整理してホスピスに入った。時間との闘いだった。

   しかし、その後、様子が変わる。日記には、8月「体の調子が良くなってきた」。9月には「飯も酒もうまい」。11月には「余命2か月、今のところ元気」と書き、退院してまた一人暮らしに戻った。

   宣告から5年になるが、その間の現実は厳しかった。事務所は月に50万円以上の収入があったが、いまは年金の11万円だけ。貯金も底をつき、通院の必要はいまもある。

   笠井さんは「宣告がなければ、もっと充実した日々が送れたはず。医師の表現は不適切で、ATLは誤診だったのではないか」と思っている。「生きてしまったことが、決して幸福ではない。楽に死ねた方が楽だったかもしれない。医者も覚悟を持って余命の話をせにゃいかん。(病院も)悪いところは悪いと認めて欲しいですね」とも話す。

医療ジャーナリストがアドバイス「焦らず治療」「セカンドオピニオン」

   伊藤利尋キャスター「終活という言葉も一般的になりましたが、余命というのは、受け止め方なのでしょうか、宣告の仕方の問題なのでしょうか」

   医療ジャーナリストの伊藤隼也さん「両方です。余命は、簡単に出してはいけない」

   余命宣告を巡るトラブルがさまざまに伝えられている。乳がんの女性に医師は「次第に完治していきます」と言っていたが、57歳で亡くなった。あとになって、夫は医師から「実は末期がんで、余命は1か月でした」と聞かされた。「余命を知らされていれば、手厚い配慮ができた」と医師会と主治医に損害賠償を求めている。

   78歳の女性は上咽頭がんで余命半年と告げられた。医療に250万円を使っていた。あきらめたが、別の病院を訪ねたところ、「まだ治療できます」と言われ、最初の宣告から1年、まだ治療を続けている。

   伊藤さん「医者も、余命をあまりよくわかってないんです」

   そもそも余命とは何か。患者の半数が死亡するまでの生存期間をいう。1年半といわれても、早いかもしれない、遅いかもしれない。当たる割合は3割くらいらしい。

   伊藤さんは「余命は当たらないと思え」「焦らず治療をする」「セカンドオピニオンを聞く」の3つを挙げた。

文   ヤンヤン
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