先月28日(2018年10月)、中国重慶市の橋からバスが転落、15人が死亡した事故の原因は、乗客と運転手の殴り合いの結果だった。引き上げたバスの車載カメラの映像からわかった。乗客も乗客だが、運転手もバスを止めることはできなかったのか。中国では不思議なことが起こる。
バスの運転者を殴りつける女性乗客
バスは、重慶市の長江の右岸と左岸を周回する路線バス。事故の瞬間を、別の車のカメラが捉えていた。重慶の橋の上を走っていたバスが突然、センターラインを超えると、対抗していた乗用車に衝突、さらに橋の欄干を突き破って、転落した。水面までは約50メートル。
当初はこの映像だけがネットに流れた。これを延べ12億6000万人が見たという(中国の人口は約13億7600万人)。このため様々な憶測が飛んだ。バスが衝突した赤い乗用車は、偶然そこに行き合わせた被害者なのだが、「乗用車が悪い」と持ち主の詮索までが行われた。また、運転手についても、「体調管理が悪い」とか、「寝不足ではないのか」などなど。
バスは1日(2018年11月)に引き揚げられ、車載カメラの映像が公開されると、驚くべき光景が映っていた。
女性の乗客が「戻せ」と叫ぶ。運転手が「それ以上妨害すると......」、乗客が「くたばれ」と携帯電話で運転手を殴りつけた。運転手も殴り返す。窓の外を対向車が走りすぎる。そしてなぜか、運転手はハンドルを左に切った。当然バスは反対車線へ向かう。目撃映像とも合致する。そして、激しい衝突音(乗用車と衝突)の後、橋の欄干を突き破ったところで映像は切れていた。
6つの停留所をすぎる間、2人はケンカし続けた
当局の発表によると、女性客が下車する停留所が工事で移動しため、女性が乗り過ごした。女性は、その後6つの停留所を過ぎる間、ずっと「バスを戻せ」と叫び続け、橋にさしかかったのだった。
ネットでは、女性客に非難が集中したが、運転手に対しても「なぜバスを止めてからやり返さなかったのか」と言う声があった。
キャスターの小倉智昭「こんなケンカに付き合わされたらたまらない」
夏野剛(作家)「感情のコントロールが効かない人が最近増えている。ハロウィンの暴動もそう。どうやって教えるか。ネット社会では、そういうメディアがなくなってくる」
最後に中国天津市での映像が出た。4車線の高速道路で、バスがUターンして、逆走する映像だった。この国はやばい。