「地獄ですね。身体的なものもありますけど、精神的なものも。きょうも帰されないと考えるだけで、日々だんだん自分をコントロールできなくなって。監禁されている独房の中にいるという状態が、当たり前の生活のように感じていました。そのことを感じること自体も、非常に辛いことでした」
シリアで反政府イスラム組織に拘束されていたフリージャーナリストの安田純平さん(44)は、トルコ・アンタキアからイスタンブールに向かう飛行機の中で拘束されていた3年半近くを語った。
「自由になれたということが本当にうれしいです。3年間まったく前に進んでいないので、これからどうなるのか、どうしていこうか見えない状態で、その点に心配がありますね」
「釈放されるというのは、何回も聞きました。しかし、いろいろ言い掛かりをつけては、キャンセルになりましたから、(今回も)本当に解放されるのかなという気持の方が強かったですね」
今晩25日(2018年10月)に帰国の予定だ。
本当に身代金は払われなかったのか?
拘束したのはどういう集団だったのか。
「外国人を見つけたら片っ端から捕まえて、あわよくば金をせしめてやろうという。やっているのはギャングのような・・・」
安田さんを拘束していたアルカイダ系の旧ヌスラ戦線は、高額の身代金を要求することで知られる。今回、日本政府は「身代金を払った事実はない」と発表したが、中東情勢に詳しい専門家は「カタールが身代金を払った可能性がある」と指摘する。
イギリスに拠点を置くシリア人権監視団も、「カタールとトルコ主導の交渉で解放された。かわりに身代金が払われた」と発表している。
堀尾正明キャスター「3年4か月も独房にいたということですから、アメリカ大統領がトランプさんになったことも、もしかしたら知らないかもしれませんね」