北九州市門司区の住宅街の砂防ダムで、野生のイノシシ2頭が転落して出られなくなっている。「助けてあげて」という住民に対し、行政は法律に基づき「見守る」という姿勢だったが、イノシシが駆け上がれるぐらいの勾配の足場の設置することにした。
今月(2018年10月)12日、ほぼ干上がった砂防ダムの中を走り回っているイノシシを近くに住む女性が見つけ、北九州市に救出を要請した。土砂災害を防ぐための砂防ダムは壁の高さが約6メートルあり、イノシシは自力では抜け出せない。普段は畑を荒らす害獣として嫌がられているが、住民からは「かわいそう」という声があがった。
直接手出しできないが、脱出用の足場設置
北九州市役所鳥獣被害対策課の梅田秀勝課長は、「鳥獣保護法という法律があり、かわいそうな状況ではありますが、見守るという大原則を守っていただきたい」と話していた。法律によって、野生動物には手出しができないことになっていて、見守るしかないというのが市のスタンスだった。
だが、放っておくわけにもいかない。砂防ダムを管理する福岡県と協議し、イノシシが脱出できるような足場を作ってあげることにした。
司会の小倉智昭「こうやって苦境に立たされているイノシシはかわいそうではありますが、一方でわなをしかけてイノシシを獲るという動きもあるわけで、複雑ですね。脱出して野に放たれるイノシシの運命やいかに」
文
キャンディ| 似顔絵 池田マコト