福島原発裁判の東電・武藤栄被告「津波対策先送り指示してない」

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   東京電力福島第1原発事故をめぐり、東電の旧経営陣が業務上過失致死傷罪で強制起訴された裁判の被告人質問が、きのう16日(2018年10月)から始まった。

   争点は大津波の予見が出来たかどうかだ。これまでの公判で東電職員らはこう証言している。「2008年3月、東電の子会社が国の長期評価を基に最大15.7メートルの津波が福島第1原発を襲うとする試算を示した。その年の7月に職員が津波対策の事実上の責任者だった武藤栄元副社長に判断を仰いだところ、工事費が数百億円かかり、工事で原子炉を止める必要があることから対策を先送りした。(この武藤発言には)力が抜けました」

   検察官役の指定弁護士は「国の長期評価に基づく試算で大津波の予見はできた」と指摘したが、武藤被告は「長期評価はまだ信頼性がなく、土木学会で検証すべきだった」と主張し、「先送りといわれるのは心外」と主張した。

現場職員の証言と大きく食い違い

   司会の羽鳥慎一「試算によると、事故の3年前に対策のチャンスがあったということですね」

   浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「前から指摘されていますが、武藤さんは元部下の証言を真っ向から否定していました。では、元部下がウソを言ったのか。非常に具体的な証言でしたが、そんなウソの証言をする意味がどこにあるのか。両者がなぜそんなに食い違うのか、不思議ですね」

   玉川徹(テレビ朝日解説委員)「あれだけの事故があって、福島県の一部ではいまだに人が住めない。それなのに、今のところでは、政治家も官僚も東電経営陣も誰ひとりとして責任がないことになっている。そんなことありますか」

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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