妻の判断材料に、治療のメリット・デメリットを書き出した夫
妻が乳がんになったら、夫はどうするべきか。
8年前に妻が乳がんと診断された銀行員は、医師の話を聞き、治療法のメリットとデメリットをわかりやすくまとめて妻の判断材料を作った。「会社で仕事をするように情報を分析しました。僕のやれることをまずやりました」と語る。
夫にやってほしい家事を妻からリストに書いてもらった人もいる。具体的に伝えてもらうことで、お互いにストレスをためずにすむと考えたそうだ。山内医師は「サポート事項の見える化です。言葉に出さないといけません」という。
そういう夫にNHKが妻から手紙を書いてもらったところ、「共有して生きることが闘病に役立った」「あなたの親切は私のお守りです」といった言葉がある一方で、「告知したばかりの時は一緒に闘おうと涙してくれたのに、このごろはたまに優しい言葉をかけてもらいたい」というものもあった。その夫は「気のゆるみを指摘され、反省しました」。
では、独身の女性はどうしたらいいのか。
友達には言えないと悩む人もいる。がん診療連携拠点病院など全国400を超す施設に相談支援センターがある。ステージ1でも無料で相談できる。「診断されたときから相談できるので、ぜひ」と山内医師は薦める。
もちろん、それ以前に必要なのはがん検診だ。検診自体を怖がって受けない人が今も多い。山内医師は「私も受けてきました。もしがんと診断されても、輝いて生きている人はいっぱいいます」と語る。
シリコーンの挿入や自分の脂肪を移植する乳房再生の技術も確立され、今は保険も適用される。患者により治療法を選べる時代がきている。「選びながら自分らしく生きることの大切さを感じました」という、取材した鎌倉千秋アナの感想が現状を示している。
乳房再生の悩みにも「サポートする動きが広がっています」と山内医師は話す。
※NHKクローズアップ現代+(2018年10月15日放送「乳がんを乗り越える!」)
文・あっちゃん