また小室圭の話である。今度は彼に「不法滞在」疑惑があると週刊文春が巻頭で報じている。これは女性セブンの後追いで、9月27日(2018年)に発売した号で、圭が日本を発った時点で「留学ビザ」を取得していなかったため、3か月以上アメリカに滞在できない。そのため、10月下旬までに一度日本へ戻ってこなくてはいけないと報じていた。
週刊文春は<仮に、この報道が事実だとすれば>、圭は不法滞在になり、アメリカの移民法に抵触してしまうと、話を広げる。さらに<この疑惑が万が一事実なら>、眞子との結婚にさらなる暗雲が立ち込めかねないと話を展開させていく。
週刊誌のよくやる手である。まず、こんな疑惑があるらしいと、怪しげなものを持ち出し、その真偽を確かめもしないで、もしこれが事実だったとすれば大変なことだと読者を誘導し、それを"前提"にして起こる不都合なことを並べ立て、読者を「本当かもしれない」と思わせていく手法だ。
こういう記事は、始めと終わりだけ読めばいい。最後に、圭を支援している奥野総合法律事務所を通じて、圭に質問を投げると、圭本人から「まったくの事実無根。ビザはちゃんととっている」という返事が来たと事務所から連絡があり、「留学の3年間、途中で帰ってくるという話も全然ない」と付け加えたそうだ。
マッチポンプ的記事作りとは、このことをいうのである。
来年の箱根駅伝は出られるのか?東洋大陸上部「下級生いたぶり」
今度は大学の陸上部の不祥事である。東洋大陸上部といえば、箱根駅伝の常連校で、酒井俊幸監督が2009年に就任して以来、優勝4回、前回大会まで3年連続総合2位という、輝かしい戦績を誇っている。
だが、今年9月まで陸上部に所属していた橋本龍(18)は、上級生からの度重なる暴力に近い「指導」を受けて、耐え切れずに逃げ出したことを、実名で週刊文春に語っている。
同部は埼玉県川越市に寮があり、1年から4年まで数十人が住んでいるという。1年生は寮の掃除などをこなさなければいけない。また1年生の練習や生活は2年生が指導するそうだ。
5月ごろから、2年の先輩から怒鳴られたり、ミーティングの後、呼び出されて「陸上部を辞めろ、いらねーよ!」などといわれながら、胸ぐらをつかまれたこともあった。8月の河口湖での合宿では、「調子に乗ってんじゃねえ!」と胸を何度も殴られた。9月には、練習器具を忘れたことをとがめられ、「マジで死ねよ」と首を絞められたそうである。
これらの先輩の多くが、箱根駅伝へ出ている連中だという。その後、彼は逃げ出し、自転車やヒッチハイクで、友人が住んでいる九州方面へ向かった。頭の隅には「自殺」の二文字がよぎっていたそうだ。その後、橋本親子と酒井監督らで話し合いがもたれ、酒井監督は上級生たちの行き過ぎた指導や、暴力などあってはならないことだと認めたという。
退部したことをツイッターで呟いたところ、大きな騒ぎになり、大学に問い合わせをした人もいたが、大学側は「反抗的だったため、上級生がふさわしくない行動をとった」と答えたそうだ。これでは、全部自分のせいになってしまうと思った橋本は、「正々堂々と実名を明かし、自分の口で説明しようと思った」と、週刊文春に話した動機を語っている。
彼は退部したが、そうなると特待生として学費免除が受けられなくなる。母子家庭で経済的な余裕がないため、大学も辞めざるを得なくなってしまった。
朝日新聞DIGITAL(10月11日11時13分)は、<東洋大陸上部の長距離の部員4人が今年9月までに、1年生部員の態度をめぐり、尻を蹴るなどの暴行をしていたことが11日、同大への取材でわかった。同大は部員4人を厳重注意。1年生部員は9月8日付で退部した>と報じた。
しかし、<11日、同大への取材でわかった>のではなく、週刊文春が発行前に朝日新聞に出した「新聞広告」を、いち早く見て「わかった」となぜ書かないのか。いつもながら、新聞は週刊誌の後追いを「恥」だとでも思っているのだろうか。