スウェーデンのホテルに深夜にやってきて、宿泊を断られるとロビーで寝ようとしてつまみ出された中国人観光客の映像が中国で大騒ぎとなり、それをスウェーデンの公共放送がからかってさらにこじれ、公共放送側は先月28日(2018年9月)に謝罪したが、これがまた新たな火種になっている。「この謝罪は中国国民に対してであり、言論の自由を尊重しない中国政府に対してではありません」と再び挑発したためだ。
中国側は「悪意に満ちた謝罪」といよいよ怒っている。どっちに理があるのか。
中国を見下す差別視線
作家の吉永みち子はスウェーデンの対応に違和感があるという。「欧米人の(優越意識を持った)目線を感じます。昔の日本人も観光マナーが悪かったので、あまりいい気持ちがしないですね。傍目には面白い騒動だけど、普通に"マナーよくしていただけないと困ります"でいいのではないでしょうか。スウェーデンは大人の対応ができていないと思われてしまう」
テレビ朝日解説委員の玉川徹も「中国を下に見る差別意識を背後に感じますよ。(中国を)遅れている国と思っていたら、スウェーデン車のサーブが中国のお金で再生しているように、経済では抜かれてしまった。マナーの問題だけではなく、中国経済がスウェーデンにも進出していることに対する不満がベースにあるように思いますね」
中国国内ではIKEAボイコット
中国のネットでは、スウェーデン企業の商品をボイコットしようという声が上がっている。対象になっているのがIKEA(イケア)だが、「IKEAの商品の約80%が中国国内で製造されている。ボイコットすれば中国の労働者が失業する」という反対意見もある。
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「ボイコットなんて幼稚だよ。わかってないよ、世の中のこと」
この騒動をチャンスと見たのはスェーデンの隣国のフィンランドとデンマークだ。「私たちは中国人に親切です」「中国人観光客のために24時間つながる電話番号を案内します」とPRして、おカネを落としてくれる中国人観光客を呼び込もうとしている。