きょう5日(2018年10月)の午後6時にノーベル平和賞の受賞者が発表されるということで、その下馬評をやったのだが、おふざけとしかいいようがない内容だった。メディアとしては、もう少し真剣に「いま世界平和とはなんなのか」を取り上げるべきだろう。
イギリスのブックメーカー「コーラル」は、北朝鮮・金正恩委員長と韓国・文在寅大統領の共同受賞を最有力と見ていて、そのオッズは2.25倍。2位はドイツ・メルケル首相で3倍、3位はアメリカのトランプ大統領の5倍だという。
テレビ朝日の外報部デスク・山下達也は「金正恩委員長には非核化問題や人権問題があり、文在寅大統領の単独受賞の可能性もあります。トランプ大統領は朝鮮半島問題で主導的役割を果たしたとされます。米政府高官の中には『トランプの受賞は考えたくないが、可能性はある』と話すものもいます」と解説した。
授賞で暴走に歯止め
作家の吉永みち子は「ノーベル平和賞はいまいち意味がわからないところもありますが、もし金委員長と文大統領が受賞すれば、それが国際的な圧力になって暴走を止めるということになるなら、平和の先取りという意味があるのではないですかね」
これに対して、長嶋一茂(スポーツプロデューサー)は「金委員長とトランプが受賞したほうがいい。平和賞に抑止力があるかどうか未知数だが、この両国が戦争になると困る」と言う。
吉永「どうせならトランプ大統領にも。3人にあげないと、かえって平和が乱れるかもしれない。授賞式で3人が顔を合わせるのもいいかもしれない」
山下デスク「たしかに、トランプ大統領だけ取れないとなったら、2~3日は怒り狂っているでしょうね」
いまでも北朝鮮と米国は「戦争中」
司会の羽鳥慎一「3人が受賞した場合に、拉致問題はどうなるでしょうかね」
テレビ朝日解説委員の玉川徹「圧力をかけ続けたら、拉致被害者が帰ってくるのか。北風と太陽の話ではないが、どっちに有効性があるかですよね。平和賞を受賞したほうが帰ってくるということだってあるかもしれない」
「モーニングショー」は北朝鮮とアメリカ軍を主体とする国連軍は、いまだに朝鮮戦争を続けていることを忘れているのではないか。だから、米朝首脳会談の主要議題の一つに「朝鮮戦争の終結宣言」が入っているわけで、番組としては、戦争している両者に平和賞なんてチャンチャラおかしいと指摘すべきだ。