京都で世界遺産の二条城など歴史的な建造物が野性動物による被害を相次いで受けている。その犯人はハクビシンだ。静まり返ったお寺にやってきて、柱にのぼり天井に入り込む。関西野性生物研究所代表の川道美枝子さんは「どんどん増えて、本当に何とかしないといけない状態です」と訴える。
直径10センチの穴があれば、すり抜けて行く
源氏物語にも登場する1000年以上の歴史がある大原野神社でもひっかかれていた。元々、ハクビシンは住宅の天井裏などをねぐらにしていたが、近年、神社やお寺に住みついている。新しい建物は密閉しているので入りにくいが、古い神社仏閣は隙間が多い。川道さんは「屋根裏に入ってフンや尿をして、それによって木材が腐り、天井が落ちることもあります」と話す。文化庁によると、野性動物による重要文化財の被害は2001年から17年までに131件、ここ5年は60件と急に目立っている。
ハクビシンは全長90~110センチ、体重3~4キロ。一見、可愛らしいが、カメラを向けると威嚇する。直径10センチの穴があれば、すり抜けて行く。
以前はアライグマが多かったが、特定外来生物に指定され、許可があれば場所、期間を問わず捕獲できる、行政も駆除に積極的だ。一方、ハクビシンは指定されていないので、捕獲期間が決まっており、捕獲の許可が下りにくい。行政も法律上は、駆除する必要はないという。
司会の羽鳥慎一「でも捕獲してはいけない、とはなっていない。世界遺産が傷ついているのだから」
野上慎平アナ「川道さんも、法律上の整備が必要だと言っています」
羽鳥「ちょっと、考えないといけませんね」
一ツ石