がん治療の新たな道「免疫で治す」を切り開いた本庶佑さん 「すべてを疑え」でノーベル賞に

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   今年のノーベル賞の第一陣、医学・生理学賞に本庶佑(ほんじょ・たすく)京大特別教授(76)が決まった。「免疫作用の阻害によるがん治療の発見」の功績で、米テキサス大教授のジェームズ・アリソン氏との共同受賞。日本人のノーベル受賞は2年ぶり26人目になる。

   小倉智昭キャスターが番組冒頭、「おめでたいニュースです」と紹介したが、「ノーベル賞は別格。なんでそれを取ったのか、はっきりわからないから」と端から白旗だ。伊藤利尋アナが「そこを掘り下げてお伝えします」。

山中伸弥氏も「尊敬する先輩であり目標です」

   ともあれ、本庶氏は早くからノーベル賞の呼び声が高かった。2012年に同じ賞を受賞した山中伸弥氏は、「尊敬する先輩であり目標ですので、何年も前からこの日を待ちわびていました」と言ったほど。

   その受賞内容だが、ノーベル賞選考委員会は「がんとの闘いに新しい道を開いた画期的な発見です」と言った。従来のがん治療は「外科手術」「放射線」「抗がん剤」だったが、新たに「免疫で治す」第4の道を開いた功績という。

   具体的には、本庶さんらが研究していた、免疫を抑えるタンパク質「PD-1」が、免疫細胞を活性化させる治療薬「オプジーボ」の開発につながったのだという。日経BP社の宮田満氏は「がん患者の生存期間を延ばすことに成功している。まさにがんを治す薬をやっと手にできた」という。

   会見で本庶氏は、「ゴルフ場で、『あんたの薬のおかげで、肺がんが良くなって、またゴルフができるんや』というような話をされると、これ以上の幸せはない。研究に意味があったと実感する」と話した。

   本庶氏はさらに「研究者の心情としては、好奇心と簡単には信じないこと。常に疑いを持って、自分の目で見て納得すること」と言った。中学生に「STAP細胞」の話をする映像があったが、そこでも「日常生活でも、疑うことが重要だ」と話していた。

   山口県宇部市の生まれ。中学時代から群を抜いた存在で、京大医学部から大学院へ進み、基礎研究の道に入った。当時の後輩は、「テニスがうまかったし、スマートでイケメンだし、男でもほれぼれする。天は二物も三物も与えていた」という。

   さて、小倉が「さっぱりわからない」という業績の内容だ。日経BPの宮田氏は、「がん細胞は免疫細胞の活動をオフにする。オプジーボはこのスイッチをオンにするもの」と説明した。他の治療法と違い免疫の再構築なので、再発が低くなり、薬剤耐性がない、のだという。

   宮田氏「どのがんに効くのか、より多くの人に効くように調べている」

   小倉「保険がきくようになっても薬が高すぎる。政府もそこまで考えないと、ノーベル賞が生きない」

   宮田氏「政府も意見が分かれていて、先進医療推進と医療費高騰の板挟み」

   本庶氏は会見で、「目下の目標は、ゴルフのエージシュートです」と言った。今76歳でベストスコアが78というから、相当な腕前だ。

   これを聞いた小倉、「本庶先生との共通点は、目標がエージシュートだということです」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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