京都市伏見区の住宅街で、7月(2018年)の西日本豪雨や台風による大雨で裏山の土砂が崩落し、民家まであと10メートルのところまで迫っている。土砂が山頂に不法に投棄されていて、住民は怒りと不安を募らせている。
ドローンの映像によると、山は高さ200メートルほどで、山頂は大量の砂で埋め尽くされていた。地元の女性は「去年(2017年)6月ぐらいから大きなダンプが山の坂道を登るようになりました。上に何があるのかなと思いました」と話す。防犯カメラの映像でも、荷台に土砂を積んだダンプカーが連なって山頂へ向かう様子が残されている。
工事業者の元従業員は「建築残土を搬入していました。なりふり構わず谷に残土を落としていました」と明かす。半年間で25メートルプール40杯分にあたる約2万トンの土砂を廃棄したという。工事の申請はもちろん出されていなかった。
「モーニングショー」が工事会社の社長に電話取材すると、「一切(土砂は)入れてません。なんでウチが関係あるのよ!」と強い口調で否定した。
家の前まで土砂「大雨が降ったら流されると覚悟してます」
家の目の前に土砂が押し寄せている住民の女性は「爆弾を抱えているようなもの。大雨が降ったら家が流されると覚悟しています」と話す。京都市が開いた住民説明会でも「行政側と住民とでは温度差がある」「事故が起きたら京都市が責任持ちますと言ってもらわんと」など、住民側は怒りをあらわにしたが、京都市の職員は「土砂流出を防止するための大型土嚢の設置は工事業者によって完了しています」などと説明するだけだった。
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「京都市もだまされているとすれば、悪いのは業者。ただ、緊急的に危険を取り除くには税金を使って代執行せざるを得ないですね」