テニス全米女子オープン決勝で9日(2018年9月)、大坂なおみ選手(20)がセリーナ・ウィリアムズ(米国)にストレート勝ちした。日本男女を通じ、史上初の4大大会シングルス優勝の快挙だ。
セリーナ選手がコーチングの警告を受けたことをきっかけに、第2試合は大荒れになった。苛立ったセリーナ選手は、自らのラケットをたたきつけて壊す、さらには審判に暴言を吐くなどし、大坂選手に1ゲームが与えられる展開に。
自滅したようにも見えるセリーナだが、元プロテニスプレーヤーの杉山愛さんは、試合が思うように運べず、フラストレーションがたまってしまったことが原因だと分析した。「セリーナ選手にパワーで勝てる選手はなかなかいない。昨日の試合は、大坂選手がパワーでもディフェンスでも上回っている、という状態だった。セリーナ選手は経験したことがなかったのでしょう」と話す。
「こんな短期間でここまでメンタルが強くなるとは」
「いつかグランドスラムを取るとは思っていたが、こんな早いとは」と杉山さんも驚く大坂選手の急激な進化。その理由に、杉山さんは「メンタルの強化」「絞った体」「守りからの攻め」と3つのポイントを挙げた。
特に著しいのが「メンタルの強化」だ。杉山さんも「こんな短期間でここまで強くなれるなんて」と驚きを隠さない。
以前は試合中に自分を責めすぎ、崩れてしまうことが多かった。ターニングポイントは昨年(2017年)12月からドイツ人のサーシャ・バイン氏が専属コーチについたことだ。
杉山さんによると、サーシャコーチは「前向きで明るいナイスガイ」。練習内容も楽しんでできるように工夫しているという。彼の指導で、試合中に一喜一憂せず、気持ちをコントロールすることを学んだ大坂選手。試合後のインタビューでも「一番大切なのは我慢」「我慢できた」とコメントするなど、忍耐力を重視しているのが垣間見られた。
高橋真麻(フリーアナウンサー)「話はずれますが、観客のブーイングに苦言を呈したい。主審に対してというのは分かるけど、表彰式の時までブーイングするのはどうかな。セリーナ選手が『もうやめよう』と言ってくれたから落ち着きましたが」
司会の加藤浩次「セリーナに対するブーイングもあったのではないですか?」
杉山「セリーナの態度が、ああいう試合にしてしまったとも言えますね」