タクシー会社が世界初の自動運転実証実験 人手不足の解消に必死の業界、国は何をしている?

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   東京都内で27日(2018年8月)、運転手なしで走行できる自動運転のタクシーの営業実証実験が行なわれ、報道陣に公開された。

   タクシー大手「日の丸交通」と、自動運転システムを開発するベンチャー企業「ZMP」が、一般乗客を乗せて大手町―六本木間の約5キロを往復する実験を始めたのだ。タクシーでは世界でも初めてだ。今のところは限られたこの区間だけだが、最終的な実用化には、法律の改正が必要で、そちらに時間がかかりそうだという。

大手町―六本木間の約5キロを客を乗せて往復

   実験には、万一に備えて運転手とオペレーターが乗っているが、出発から到着まで、ハンドルに手は触れない。利用者は、特定のカードでドアを開け、乗り込むだけ。「とても快適でした」と第1号の女性。そりゃ、事故さえなければ、快適でしょう。

   車の自動運転は、技術的にはほぼ実用可能なレベルに近づいている。技術的には、方向、速度の制御から、全方向の安全管理まで4つの段階があり、現在は2段階目のテストだという。

   ただ、混雑時の車線変更に難がある。自動運転だと、運転手同士のアイコンタクトとかあうんの呼吸は望めない。さらに、悪天候対策も難物だ。タクシーの場合は、5つ目の段階があり、法律の改正が必要になる。

   現行法は、車は人が運転することになっている。事故が起こった時の責任はどうなるかなどを議論しないといけないわけだ。例によって日本は、ハードは早いがソフトが......ということになりかねない。

   ジャーナリストの青木理「地方ではいずれ必要になる。これをタクシー業界が始めた。やっぱり事故が起きた時に誰が責任を取るのか。法律上の問題が起こる」

   キャスターの羽鳥慎一「技術的には、今でもほぼ可能なんでしょう?」

   弁護士の菅野朋子「法律は、人が運転することを前提にできている。議論は世界とも関係する。日本だけではできない」

   テレビ朝日解説者の玉川徹は「逆だと思う」という。「アメリカは、事故が起こっても実験を続けている。トヨタもアメリカで実験している。そこで出来上がったシステムを輸入するとなると、スタンダードは全部アメリカのものになってしまう」

   確かに、法律改正につながる重大な実験を、タクシー会社がやっているというのも変な話だ。タクシー会社側は「運転手の人手不足問題を解決したい」と必死だ。国土交通省は、何を考えているのか。アメリカでできることを、ただ待つつもりなのか。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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