私は父子二代の由緒正しい巨人ファンではあるが、実質は長嶋茂雄ファンである。長嶋が巨人に入団した日、国鉄スワローズの金田正一の剛腕に4三振を喫した日、天覧試合でサヨナラホームランを放った日、小雨のしょぼ降る神宮球場で、長嶋の姿を見ながら中日優勝の「悲報」を聞いた日、引退試合をバックネット裏で泣きながら見た日を昨日のように思い出す。
その長嶋が緊急入院していたと報じたのは女性セブンだった。今週は週刊ポストと週刊新潮がそれを受けて続報を報じている。週刊ポストによれば、長嶋の容態が深刻なことを窺わせる状況証拠が多くあるという。
女性セブンが出る前日に、読売が長嶋のコメントを発表した。娘の三奈はテレビ朝日系の「熱闘甲子園」に出演はしたが、甲子園で三奈を見かけた人はいない。松井秀喜が甲子園で100回記念の始球式をしたが、いつもならすぐに妻子のいるアメリカに帰るのに、日本に滞在し続けている。
週刊新潮によれば、ミスターのこのごろの「異変」に気づいていたのはスポーツジャーナリストの吉見健明氏だという。彼は毎朝の長嶋のリハビリ現場に通い続けている。だが、去年(2017年)の春ごろから、だんだんリハビリのルーティンが崩れ始め、公園に行かず、自宅周辺を歩くだけの時も出てきたそうだ。6月30日、「その日はその男性介護士の肩を借りて・・・というか抱きかかえられるようにして歩いていました」(吉見氏)
検査をして、胆石ができたことで引き起こされた症状が長引いていて、長期戦になりそうだというのである。入院が長引き、寝たきりが多いためであろう、歩行がままならなくなっていて、「90歳のヨボヨボのおじいさんのようになってしまっている」(長嶋家の事情に詳しい関係者)
入院前の状態に戻すには相当時間がかかるようだ。次女の三奈が寝ずに看護しているが、長男の一茂は、ミスターの商標登録を勝手にやったり、グッズを勝手に売りさばいていたことが発覚して、長嶋、三奈とは関係が悪いため、病院には出入りしていないという。
長嶋がいなくなるということは昭和が終わる、私たちの青春時代が消え去るということである。長嶋にその日が来るのはそう遠くではない。分かっているのだが、一日でも後にしてほしいものである。
ユーモアセンスなさ見せてしまった太田光!裏口入学からかわれて本気で噛みつく野暮天
先週、週刊新潮が報じた「爆笑問題」太田光の日芸裏口入学のスクープには、久々に笑い転げた。なにしろ、中学や高校ではほとんど友達ともしゃべらず、割り算もできなかったというのである。
あまりのバカさ加減に、父親が心配して、ツテを頼って裏口入学させようと日大側に頼んだが、出来の悪さに呆れ、一度は不合格になったというのである。何とか押し込んでもらい、父親が払ったのは当時のおカネで800万円だという。
太田といえば、エッセイから小説、なかには「憲法九条を世界遺産に」(集英社新書)という硬派なものまで何十冊もの本を出し、お笑い界では「インテリ」と思われていたのに、そのイメージが一夜にして逆転したのである。
太田が怒り狂った。TBSラジオ「JUNK爆笑問題カーボーイ」では、番組冒頭から「週刊新潮、バカヤロー、この野郎、てめえ。なんだこの記事はよお。誰が裏口入学だ、この野郎。ふざけんな、バカヤロー。あのバカ学校に裏口入学するわけねえだろ」
高校時代には、模試の国語で学年4位になるなど「地頭はよかった」と強調。一方で日芸の映画学科には2次試験で落ちているとして裏口入学を否定、「ホテル監禁はないですよ」と缶詰作戦もなかったとまくし立てた。
週刊新潮では父親の三郎氏が「息子、バカなんです。バカなんです」と話したと関係者の証言が出ているが、太田は「うちの親父はこんなしゃべり方を他人にするようなことは絶対になかったし、へりくだるような人ではなかった」と述べ、週刊新潮に証言したという「関係者」に「公開討論でもいい」「隠密でもいいから会いたい」ともいったそうである(夕刊フジZAKZAK8月8日付を参考に構成しました)。
聞くところによると、週刊新潮は日大の不正問題を追う中でこの話が出て来て、その頃の当事者から話を聞けたため、掲載したということのようである。今週の第2弾は、もっぱら、お笑い芸人の太田がなぜあのようなことぐらいでマジに怒るのかという、斜めからの批判に終始している。
作家の佐藤優氏の意見が典型である。<今回の猛反論ではユーモアのセンスが欠けてしまっていました。(中略)太田さんは毒舌で有名で、政治の話題にも分け入って揶揄してきた。それなのに、自分が裏口入学と報道されるとエキセントリックに反論し、それが図らずも太田さんの入学歴へのこだわりを露呈させ、何とも言えず寂しい思いになりました>
太田の本音はある番組で語ったという、この言葉に集約されていると思う。「俺ホントにあの日から、周りの人たちが俺のことを見る目が、すごい何かちょっと下に見てる感じがするんだよ!」
太田は、自分は周りの人間より上だと思っていたようだ。太田は週刊新潮を訴えるといっているから、コトの白黒は法廷でつけるのであろう。週刊新潮側も、30年以上前のことだから、どこまで「証拠」「証言」を出すことができるのか、やや心配だ。
それにしても、太田が敬愛する立川談志師匠だったら、粋にこういったのではないだろうか。「オレは割り算はたしかにできないよ。でもさ、壺算ならできるぜ」
全米400新聞一斉に「トランプ批判」米国の偉大さは報道の自由・・・日本メディアに覚悟あるか
全米約400紙が社説で、人民の敵というトランプ米大統領批判を掲載した。朝日新聞はもちろんのこと、日本の各紙もこのことを扱ったが、どういう気持ちでこれを取り上げたのだろうか。
いい出しっぺのボストン・グローブ紙はこう書いた。<米国の偉大さは、権力者に対して真実を突きつける自由な報道機関に支えられている>(朝日新聞8月17日付より)
先日、Netflixで「ベトナム戦争の記録」を見た。ベトナム戦争の発端から、アメリカが戦争の泥沼にはまっていく様子がきめ細かく描写されているドキュメンタリーの佳作である。その中で、ニューヨーク・タイムズの記者で、当時、ベトナムへ取材に行き、戦争の真実を本国に送り続けたニール・シーハンが、こんなことをいっていた。
「ベトナムでアメリカが勝つためには、真実が報道されることが求められる」
嘘で固め、誤った情報を国民に与えていたケネディやジョンソンなどを厳しく批判した。
翻って、今の日本のメディアに「真実を伝えることがわれわれの役割だ」といえるジャーナリストはいるだろうか。朝日新聞は他のメディアより頑張ってはいると思う。だが、他人にはできることが、身内にできているだろうか。
熱中症に気をつけろと書く新聞社が、夏の甲子園を延期したり、甲子園からドームに移したりしないのはなぜなのか。他社には、裁量労働制は過労死を招くといいながら、自社の労働時間の多さを即刻正そうとしないのはなぜか。
真実に表も裏もない。自分たちに不都合な真実を書かないで、権力者と対峙できるはずはない。
新元号発表できない安倍首相―総裁三選ネックは身内のはずの右派・タカ派?
週刊ポストは安倍首相と神社本庁との間で「元号」を巡る暗闘があると報じている。神社本庁とは、伊勢神宮を本宗として全国にある約8万社の神社のほとんどを傘下に収める包括宗教法人で、現総長の田中恆清氏は安倍政権を支援する保守系団体・日本会議の副会長でもある。
これまでも神社本庁は、建国記念日復活運動、元号法制定、国歌国旗法、昭和の日制定などの成果を上げてきた。政治運動の中核をなすのが、神道政治連盟と神道政治連盟国会議員懇談会だ。ここには自民党を中心に、衆院議員約300人が加盟しているそうだ。大きな力を持っている団体だが、このところの安倍首相の元号を巡る発言には反対論が多いという。
元号が決まらず、それも、国民生活への影響を考慮して、新元号を事前に公表するという政府の方針が気に入らないようである。神道政治連盟国会議員懇談会のメンバーで、安倍の総理補佐官を務めた柴山昌彦代議士がこう解説する。
「新元号は正式決定の前に、新しく即位した天皇陛下の聴許(お聞き届けいただくこと)を経た上で閣議決定し、それを新天皇が公布する手続きになる」
これは神社本庁が全国的な運動を展開し、10年かけて1979年に法制化された。それだけに、元号を事前に公表するという、改元手続きを軽視するやり方には黙っていられないようだ。安倍の取り巻き議員たちも、菅官房長官に「新元号は来年5月1日の新天皇即位の後にするべきだ」とねじ込んだという。
こうした抗議行動について神社本庁は、「元号は新天皇の即位後に発表するという考え方は戦後一貫している。いま改めて表明したわけではない」という。
このところ、リベラルな政策を打ち出し、国際社会の中で存在感をやや増している安倍首相だが、そのために、靖国参拝も1回しかしていない。政権奪還時の公約だった政権主催の建国記念日記念行事も行われていないし、自主憲法制定もいまだである。
「神社本庁上層部は"今は我慢しろ"と抑えているのが実情です。そこに元号の事前公表問題が出てきた。神社本庁にとって譲れない一線であり、状況次第では安倍批判を抑えられなくなる可能性もある」(雑誌『宗教問題』の小川寛大編集長)
そこで慌てて、安倍は秋の国会で「憲法改正」をといい出したと見る向きがある。安倍首相の真のアキレス腱は、ここであることは間違いないようである。
「平成天皇の思い」時代は引き継げるか・・・特筆されるべき長い平和
今年で最後になる終戦記念日の天皇陛下の「お言葉」には、「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致し」という一節が加えられた。日本の明治以降の歴史の中でも、特筆されるべき長い平和は、私と国民が成し遂げた最高のものだという感慨と、達成感、次世代へこれを託すという思いが込められていると、私は思う。
週刊ポストで「日本はなぜ、『基地』と『原発』を止められないのか」(集英社インターナショナル)を書いた矢部宏治氏が、こう話している。
<亡くなられた翁長雄志・県知事は、「憲法の上に日米地位協定がある」「国会の上に日米合同委員会がある」と明言していましたが、米軍と外務省が憲法を無視して何でも決めてしまえる法的構造が現実に存在する。
保守派にもおかしいと気づきはじめた人が多い。安倍首相は「戦後レジーム」を目の敵にしてきたけれど、「軍事主権の放棄」を法的に確定させたのは、実は祖父の岸首相が安保改定時に結んだ密約なわけです。
しかしすでに冷戦は終わり、朝鮮戦争の終結宣言が出ることも確実です。歪んだ米軍支配体制は早晩、崩壊に向かうと思います>
私もそう思うが、どういう形で崩れるのかが見えない。米朝会談で朝鮮戦争が終結し、米朝関係が正常化すれば、もはや沖縄海兵隊は御用納めであろう。米国内からも、引き上げて来いという声が上がること間違いない。その第一歩を、9月30日に投開票する沖縄県知事選にしてもらいたいと思う。