全米400新聞一斉に「トランプ批判」米国の偉大さは報道の自由・・・日本メディアに覚悟あるか
全米約400紙が社説で、人民の敵というトランプ米大統領批判を掲載した。朝日新聞はもちろんのこと、日本の各紙もこのことを扱ったが、どういう気持ちでこれを取り上げたのだろうか。
いい出しっぺのボストン・グローブ紙はこう書いた。<米国の偉大さは、権力者に対して真実を突きつける自由な報道機関に支えられている>(朝日新聞8月17日付より)
先日、Netflixで「ベトナム戦争の記録」を見た。ベトナム戦争の発端から、アメリカが戦争の泥沼にはまっていく様子がきめ細かく描写されているドキュメンタリーの佳作である。その中で、ニューヨーク・タイムズの記者で、当時、ベトナムへ取材に行き、戦争の真実を本国に送り続けたニール・シーハンが、こんなことをいっていた。
「ベトナムでアメリカが勝つためには、真実が報道されることが求められる」
嘘で固め、誤った情報を国民に与えていたケネディやジョンソンなどを厳しく批判した。
翻って、今の日本のメディアに「真実を伝えることがわれわれの役割だ」といえるジャーナリストはいるだろうか。朝日新聞は他のメディアより頑張ってはいると思う。だが、他人にはできることが、身内にできているだろうか。
熱中症に気をつけろと書く新聞社が、夏の甲子園を延期したり、甲子園からドームに移したりしないのはなぜなのか。他社には、裁量労働制は過労死を招くといいながら、自社の労働時間の多さを即刻正そうとしないのはなぜか。
真実に表も裏もない。自分たちに不都合な真実を書かないで、権力者と対峙できるはずはない。