クイズに正解したら「有給休暇あげる」 あり得ないほどブラックなアノ会社

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   携帯に上司からメールが来た。「全問正解で有給チャンス」――つまりは、クイズに正答しないと、有給休暇はもらえない? こいつは恐怖だ。というより、「有給休暇は権利だろう」というのが真っ当な反応のはずだが......。

   このメールを出したのは、自動販売機飲料販売大手のジャパンビバレッジの支店長だった。クイズのタイトルは「有給チャンスクイズ」。内容は、「2016年4月の実績。以下の駅で、売り上げの高い順に並び替えてください」とあって、「新宿、原宿......」など15の山手線の駅名が並ぶ。

「全問正解で有給チャンス」「不正解は永久追放」

   続いて「全問正解で有給チャンス」「不正回答は永久追放します。まずは降格」とあり、さらに「資料を見て答えると、不正回答」と、自分の知識だけで答えるよう求めていた。

   しかしこのクイズ、よく見ると、駅名の中に「新宿」が2度出ていて、正解は出ないようになっていた。で、支店長から返ってきたメールは「お疲れ様です。残念ながら全員はずれでした。よかった。よかった。新宿が2個ありました。申し訳ありません。本当は秋葉原が入る予定でした」と人を食ったものだった。

   メールを受け取った従業員に聞くと、「そもそも有給休暇を取れる雰囲気ではなかった」「これで有給が取れるんだと思った」という。そういう会社なんだ。

   先週17日(2018年8月)、従業員が加盟する「ブラック企業ユニオン」と会社側が話し合った。しかし、メールを送った支店長は欠席。従業員側が「メールを事実として認めるか認めないか」と聞くが、会社側は「初めて目にするので......支店長に物申すのは難しかった?」。従業員側「物申すのは無理。嫌なら辞めろ、飛ばすよ、他のところへ行けばいいじゃん」(音声記録)

   他にもあった。従業員側は、昨年(2017年)9月から「残業代の支払い」や「休暇時間の確保」を要求したが折り合えず、従業員側は5月3日にストライキを行い、GWの東京駅で、自販機に飲料が補充されないまま「売り切れ」が相次ぐ事態になっていた。

   ジャパンビバレッジは、違法な長時間労働と残業代不払いなどで、労働基準監督署から4回の是正勧告を受けている。今回の「メール」問題について同社は、「労使の主張は隔たりがあるが、今後も誠実に団体交渉を行っていく」としている。

   キャスターの羽鳥慎一「有給チャンスクイズっておかしいですよね」

   キャスターの宇賀なつみアナ「そもそもくれないのに、ふざけたものを......」

   リポーターの野上慎平アナ「ふざけています。そもそもとらせなきゃいけないものですからね、有給は。会社がとらせないというと、法律的にはどうなります?」

   住田裕子(弁護士)「ありえないです」

   野上「有給がクイズの商品になっている」

   住田「上場企業でしょ。4回も是正勧告を受けて、普通だったら対応して2度と起こさないとなっているはず。それを無視している」

   野上「メールは、一昨年の5月の話なんです。従業員が、『あ、有給取れるんだ。よかった、よかった』と思ったと。これも問題」

   東京都労働委員会は、ハローワークに対して、ジャパンビバレッジを求職者に紹介しないように要請していた。会社が新規雇用者によってストを無効化するのを防ぐためだったという。相当のブラック企業ということだ。

   ヤンヤン

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