これだけ健康に悪いサマータイム導入 東京五輪のためだけにやる意味があるのか!

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   連日の猛暑は、2年後の東京五輪への影響を懸念させる。そこで「暑さ対策」として飛び出した「サマータイム」の導入案。「モーニングショー」は前回、「長時間労働になる」とボロクソの反対論が勝ったが、今回は、健康への影響を考えた。

   サマータイムの本来の目的は「省エネ」だ。最初に導入されたのは、第一次対戦中の1916年のドイツとイギリスで、ともに石炭の節約のためだったが、ドイツでは労働時間の延長も目論んでいたという。ともに現代でも論議に値するところだが、今回は健康を考えた。

世界中から体に悪影響のデータ続出

   朝日新聞の世論調査によると、サマータイムに賛成は53%、反対32%と案外賛成が多い。しかし、精神科医で早大准教授の西多昌規さんによると、日本睡眠学会は2012年、「百害あって一利なし」という結論を出している。2012年は、東日本大震災の翌年で、省エネ向上の必要からサマータイム導入が話題になったのだった。

   日本人の睡眠状況は、OECDの調査で、調査した28か国中27位の7時間43分。日本より少ないのは韓国だった。西多さんによると、日本では85%が午後10時以降も起きている。もともと夏は睡眠時間が短い上に、早く寝るのは難しいから、サマータイムの導入でさらに短くなる。つまり慢性的な寝不足状態になることが懸念される。

   また、睡眠負債と言って、寝不足が重なると、前頭葉のワーキングメモリーが低下する。

   サマータイムに切り替わった(国によって異なるが概ね3月下旬から)後の様々な影響が言われている。スウェーデンでは、心筋梗塞が5%増えたという。ロシアでは、救急車の出動回数が増えた。ドイツの調査では、体内時計がサマータイムに順応するには3週間かかる。

   高齢者では、認知症のリスクが増える。西多さんは「不眠とストレスが重なると危険だ」と指摘する。睡眠不足は「食欲スイッチ」につながり、肥満の恐れが高まる。イライラがつのると、いろいろな悪影響が起こる。

   自殺も増える。オーストラリアでは、10月?3月(南半球の夏)に増加する統計がある。ドイツでは交通事故が6%、イギリスでは10%増えるなど、これでもかというほど悪いデータを並べて見せた。

   ロシアは結局、1981年から続けてきたサマータイムを2011年に中止した。またフィンランドも、やめると決めたのだが、EU諸国との関係で実行出来ずにいる。いずれも、主たる理由は健康上の影響だと西多さんはいう。

   青木理(ジャーナリスト)「コンピューターの対応が問題だ。オリンピックのためだけにそんな必要があるのか」

   司会の羽鳥慎一「IT業界は騒然としているようですね。どうしたらいいんだと」

   玉川徹(テレビ朝日解説委員)「サマータイムがいいという人を呼んで、話しましょうよ」

   本当は、言い出しっぺの森喜朗・東京五輪パラリンピック組織委の会長がいいのだが、出てはこないだろうな。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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