アメリカ・ワシントン州のシアトル・タコマ国際空港で、現地時間10日(2018年8月)、航空会社の地上勤務の男性職員(29)が駐機中の旅客機に勝手に乗り込み飛び立つ事件があった。盗まれたのは約70人乗りのプロペラ機で、離陸直後に空軍の戦闘機が出動し、追跡する事態となった。
管制官とのやりとりの中で、男は「私はねじがいくつか抜けてしまった破滅的な男だ」「こんなことをしたと知ったら、みんな失望するだろうな。謝りたい」などとしゃべり続け、操縦については「助けは必要ない。昔ゲームでやったことがある」と話していた。
旅客機はおよそ1時間ほどふらつきながら飛び続けたあと、空港から約40キロ離れた島に墜落した。地元、当局はテロではなく、自殺目的だったとみている。
空港で待機中はコックピット開けっ放し
空港で待機している飛行機のセキュリティはどうなっているのだろうか。航空評論家の小林宏之さんは「ロックはされていなかったと思う」と話す。「次のフライトに備えるため、(コックピットの)ドアは空いているので、簡単に入ることができます。空港関係者がこういうことを起こすというのは想定外だったのではないでしょうか」
橋本五郎(読売新聞特別編集委員)「怖いのは、コックピットが開いているということをみんなが知ってしまったこと。対策をきちんとしないとまた同じようなことが起こりかねない」
杉山愛(元プロテニスプレーヤー)「整備する人や清掃する人にもセキュリティを厳重にするとなると大変ですね」
高橋真麻(フリーアナウンサー)「こういうことになってしまうと、セキュリティチェックだけじゃなくて、(関係者)一人ひとりの人間性まで調べないといけなくなってしまう」