職人の作業着や安全靴を販売しているチェーン店「ワークマン」が若い女性の人気を集めている。なにを購入しているのか。
軍手10組178円、長靴980円――。ヘルメットや地下足袋など2000以上のアイテムが、広い店内にずらりと並ぶ。多彩な品ぞろえと手ごろな価格がワークマンの魅力だ。
1980年に群馬県伊勢崎市に「職人の店」をうたい文句に誕生し、今では全国に825店舗。客の多くは建設などの作業現場で働くガテン系男性だが、「20代、30代を中心に、女性のお客様が急激に増えています」と埼玉・新座野火止店の周東慶和店長は話す。
雨の日に滑らなくて安全・・・「厨房用シューズ」売り切れ
女性客増加の理由の1つは、安いのにデザインがかわいいことだった。1900円の撥水加工ジャケットはピンク、紺色、水色など多彩な色揃え。作業服用の消臭機能をポロシャツに取り入れるなど、機能性の高さもポイントだ。4年前から愛用しているという50代の保育士の女性は、「安いのに素材がよく、丈夫なものが多い」という。
子育てママたちの声から人気に火がついた商品が、飲食店の調理人が使う厨房用シューズだ。女性向けにデザインを改良したことで、「レインシューズより滑りにくくて安全」とSNS上で情報が広がり、売り切れ店が続出している。
女性従業員増やして女性客のニーズ掘り起し
ワークマンの土屋哲雄・常務取締役によると、女性客に目を向け始めたのは8年前のリーマンショックがきっかけだった。「建設技能労働者の方の数が減っているなかで、一般客や女性客に客層を広げる必要があると考えました」と話す。女性のニーズを的確に商品に反映させるため、7年前から女性社員や店員の採用を増やした。
コメンテーターの菊間千乃弁護士「私もSNSで誰かが紹介していると、すぐ買っちゃいます。滑りにくい靴は雪の日もいいですね」