都道府県連盟の会長や理事長、歴代五輪代表選手ら333人に告発された日本ボクシング連盟の山根明会長(78)。日本ボクシング連盟では「会長」「強化委員会委員長」「ナショナルチーム監督」という役職に就き、さらにアジアボクシング連盟常務理事も務める。アマチュアボクシング界では絶対的権力者だ。
しかし、その経歴は謎に包まれている。司会の小倉智昭も「会長以前の経歴がまったく分からない。まるで消されてしまったかのよう」と首をひねる。とくダネはその権力の謎に迫った。
分かったのは「もめ事を収めた実績がある」こと
2011年の会長就任時から7年の付き合いという元秘書に、山根会長のボクシング歴を聞くと「やっていないと思うのですが...」とはっきりしない。
一方、ボクシング取材歴40年以上という共同通信社の津江章二編集委員は「私の持っている古い年鑑にも載っていないのではっきりとは言えないのですが、プロボクシングの経験はあるようです。ある関係者に聞いたら『やっていた』と話していた」と話す。
2011年、連盟の会長就任時に連盟が出した「会長、山根明の経歴及び人間像について」という文章では、「当時の近畿連盟は皆さまご存じの通り約20年間組織内部紛争により正常な連盟活動ができていない状況でした...(中略)、それらを一掃したのが近畿連盟理事山根明。地方連盟の痛みも身を持って経験を積まれた人物ゆえに改革路線が実行できます」とある。
要するに、もめ事を収めた実績をアピールしているのだろうか。いずれにしてもそれ以前の具体的な経歴は謎のままだ。
さて、問題となっている会長の「連盟の私物化」だが、そのひとつが「奈良判定」だ。もともと奈良県の連盟の出身である山根会長は奈良の選手をひいきにし、審判に圧力をかけ判定を操作していたという疑惑だ。
さらに、2011年からは山根会長の息子が奈良県ボクシング連盟会長を務めており、日本ボクシング連盟でも要職についているという。都内のボクシング指導者は「跡を継がせるつもりだったようだ」と明かした。
小倉「スポーツ連盟の会長が世襲って、誰が考えてもおかしい」
中江有里(女優・作家)「私物化としかいえない。むしろ一番避けなければいけないことです」
ピノコ