日本ボクシング連盟がアスリート助成金の不正流用を五輪強化選手に指示し、公式試合の審判にも不正な圧力をかけていたなどと、都道府県連盟の幹部や選手ら333人が日本オリンピック委員会(JOC)やスポーツ庁に告発状を提出した。告発者らは金銭やパワハラなど12項目にわたる疑惑を指摘、とくに山根明会長の独裁体制を追及する構えだ。
周りをイエスマンで固めた独裁者
告発状によると、ボクシング連盟はリオ五輪のライト級に出場した成松大介選手がスポーツ振興センターから240万円の助成金を受けた際、山根明会長(78)の指示として他の2選手と3等分するように要求したという。
連盟幹部が成松選手に「あなたの気持ちでやってくれたとしたらマルなのよ」「会長の命令でやったとなると、会長が絡んじゃう」と自分の意思で分配したと見せかけるように工作していたという。その後には「やっぱり160万円を払うのでこれで話をつけたから」と電話し、山根会長の資金から成松選手に振り込んだことも告発状は暴露した。
告発者たちは「会長は自分の意にそぐわないとすぐに排除し、周りをイエスマンで固めた」「試合で奈良県の選手にレフリーストップをかけた審判は、重要な大会には呼ばれなくなった」と、独裁体制下のパワハラ行為を指摘する。
山根会長は、奈良県ボクシング連盟の事務局長から関西連盟の会長などを経て日本連盟会長になって7年3か月、2012年10月からは終身会長にもなったが、ボクシング歴や奈良県以前の経歴ははっきりしない。
告発状に対して、連盟はきのう30日(2018年7月)「事実と異なる部分が多くある。JOCなどの判断を待って対策を講じていく」とのコメントをSNSに出した。直接の取材に対応せず、電話にも出ないという。
下川美奈(日本テレビ解説委員)「逃げ回っているように見えます」
ロバート・キャンベル(国文学研究資料館長)「まず第三者を入れて事実を確認するべきで、連盟にはすべてを調べる姿勢がない」
司会の加藤浩次「告発状が問題を細かくあげているのだから、連盟はしっかりとコメントしなければいけない。どこの競技団体でも、トップの権力者になると、団体のことを思うのか、自分のことを思うのか、どっちなのですかね」