冒頭に2016年に岩手県で開催された国体のボクシングの試合の映像が紹介された。戦っているのは奈良県の選手と地元の岩手県の選手だ。岩手県の選手は攻勢に出て2度もダウンさせた。「これで勝った」と思ってか、岩手県の選手は飛び上がった。ところが、判定は奈良県の選手の勝利だった。観衆からも「えー?」とブーイングが広がった。
「会長への恐怖で奈良の試合に関わりたくない」と恐れる審判
これが「奈良判定」といわれる一つの例だという。奈良県の選手が有利になるよう審判が意図的に操作することだ。日本ボクシング連盟の審判員は「会長はもともと奈良県に関係があるので奈良の選手を可愛がっている」と語る。
アマチュアボクシング界のトップ、日本ボクシング連盟の山根明会長は(78)は1970年代に奈良県の連盟に関わり、奈良県の選手が負けた場合、怒りの矛先は審判員へ向かい、審判を外されることもある。「会長への恐怖で逆らえない。奈良県の試合に関わりたくない」という人が多いという。
青木理(ジャーナリスト)「岩手の試合、素人が見ても、おやっという判定でしたね」
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「なんですかねえ」
山根会長は大阪府堺市出身で、2000年シドニー五輪では日本代表監督、10年に連盟副会長、11年に連盟会長、さらに12年には終身会長となり、いまやアマチュア界の「ドン」だ。
青木「文科省やJOCなどスポーツ団体は異常さに気がつかなかったのか、できなかったのか」
小林信也(作家・スポーツライター)「スポーツ界全体の悪しき体質です」
レスリングやアメリカンフットボール、そしてボクシング。東京五輪の前に体質改善は可能なのか。