あと2年に迫った東京五輪の開閉会式の演出をする総監督が決まる。東京五輪組織委は今日30日(2018年7月)午後、福島に再開したJヴィレッジで、総合監督の人選結果を発表する。候補者は何人かいるが、名前は出せない。そこで「ビビット」は、過去の五輪で印象に残る開会式をアンケートした。結果はやっぱり、というか意外なアレだった。
アリの聖火、アーチェリーの点火、そして1位は
五輪開会式の趣向は、年々派手になっているが、広く印象深いものにできるかどうかに知恵を絞る。東京五輪もすでに、映画監督の山崎貢氏、音楽家の椎名林檎氏、狂言師の野村萬斎氏らによるプランニングチームを設けている。
アンケートはネットを通じて、30歳から70歳までの100人に、印象に残る開会式を聞いた。そのベスト5は......。
まず5位は1992年のバルセロナ。ソウル・パラリンピックのアーチェリーの銅メダリスト、アントニオ・レボジョ氏が、70メートル先、高さ24メートルの聖火台まで、聖火の火矢を放つという離れ業だった。
4位は96年のアトランタ。ボクシングのモハメド・アリ氏が、パーキンソン病で震える手で、聖火に伝えるケーブルに点火した姿は感動的だった。アリ氏は60年ローマ大会での金メダリストだが、米国内での黒人差別に抗議、自らメダルを廃棄したことで知られていた。
国分太一「アリさんが登場して盛り上がった思い出がある」
そして3位が、2012年のロンドン。これは、エリザベス女王と007がヘリからパラシュートで降下するという、映像を駆使した巧みな演出だった。ボンド役はダニエル・クレイグ氏。
国分「現地で見たけど、あれは相当盛り上がった。ユーモアたっぷりだった」
谷口真由美・大阪国際大准教授「女王まで使うというアイデアがすごい」
では2位は? 84年のロスで登場した「ロケットマン」だ。米軍が開発した蒸気を噴射して飛ぶものだったが、飛行時間は約30秒と効率が悪く、軍は採用しなかった。しかし、開会式ではみんなびっくりした。
国分「アメリカはすごいんだぞ、と言う演出」
タレントのカンニング竹山「実用化されると思ったけど......」
そして栄えある1位が、64年東京五輪の自衛隊ブルーインパルスが青空に描いた五輪マークだった。
真矢ミキが「見たことないですけど」という。覚えていたのは、ニュース雑学おじさんの堀尾正明だけ。
当時はほとんど白黒テレビだったが、珍しいカラーの映像があった。抜けるような青空に鮮やかに五輪が浮かぶ。しかし、ブルーインパルス生き残りで、赤色を担当した藤縄忠さん(82)によると、当時は全て目視と手動操縦で、直径2100メートルの円を描くのは難しかったという。
訓練では一度もうまくいかなかった。聖火が点灯して、鳩が舞って、会場が上を見上げた時にブルーインパスルが来る、という演出だったが、時間がずれた。隊長がラジオで実況を聞きながら、調整をしたという。
堀尾「カラーの放送を見たのは、これが初めて」
国分「今回は誰が演出をするか」
プランニングチームからか、別の人か。今日の午後にわかる。