一度断ち切れ!「接続過剰な日常」
孤独や生き辛さを抱える人たちのケアに取り組んできた精神対話士の本郷由美子さんはどう見ているのか。「十何年前は、集団の中ではみ出してしまうような孤独を感じるという悩みを聞くことが多かったのですが、今はたくさんにつながっているけれども、本当に心を許せる人がいないというのです。SNSよりも生身の人間に関わりたいとおっしゃっていて、でも、その関わり方が分からないで苦しまれています」
モテクリエーターを名乗り、ファッションやメークの情報を発信して総フォロワーは100万人を超える菅本裕子・SNSアドバイザーはどう捉えているのか。菅本さんはネットの中に自分の居場所を見つけることを勧めながら、「孤独を感じるのはSNSだけど、孤独を癒すのもSNSなのかな。ちょっと自己中心的になる必要はあると思っている。SNSの中では、人に合わせるだけだったら、消費されていってどんどん孤独になっちゃう」
SNS世代とは多少離れた世代で、「平成幸福論ノート 変容する社会と安定志向の罠」などの著書がある詩人の水無田気流(本名・田中理恵子)は、つながっていないとやり切れないという若者たちを「接続過剰な日常」という。孤独について、「悪い所だけではない。孤独をポジティブな面から自分と対話する時間だと思って、少し自分を直視するということもトレーニングしてみたらいいのではないでしょうか」と指摘している。
*NHKクローズアップ現代+(2018年7月25日放送「"つながり孤独"若者の心を探って・・・」)
文
モンブラン