「LGBTに生産性はない」
性的少数者への差別を助長するような自民党の杉田水脈(みお)衆院議員(比例中国ブロック選出)の月刊誌「新潮45」(8月号)への寄稿が、物議をかもしている。
杉田議員は「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。なんら彼女らは子供を作らない。つまり『生産性』がないのです」と書き、「LGBTへの(行政の)支援の度が過ぎる」と主張している。
ツイッターで「あなたの発言は差別でしかない」「安易にLGBTは生産できないと決めつけるのは勉強不足」と抗議の書き込みが相次いだのも当然の内容である。
「待機している児童なんていない。預けたいのは親」
杉田議員はどんな人物なのか。鳥取大学を卒業して2012年の衆院選に日本維新の会から立候補して初当選した。昨年(2017年)の衆院選では自民党から立候補して、2回目の当選を果たした。夫と大学生の娘を持つ51歳である。
14年10月31日の衆院本会議では男女共同参画についてこんな持論を展開してた。「本来、日本は男女の役割分担をきちんとした上で、女性が大切にされ、世界で一番女性が輝いていた国です。女性が輝けなくなったのは、冷戦後、男女共同参画に名の下、伝統や慣習を破壊するナンセンスな男女平等を目指してきたことに起因します。男女平等は絶対に実現しない反道徳の妄想です」
さらに、今年1月23日の自身のツイッターでは「待機児童、待機児童っていうけど、世の中に『待機児童』なんて一人もいない。待機しているのは預けたい親でしょ」と書き込んでいた。
二階幹事長は擁護「多方面の人が集まっているのが自民党」
司会の小倉智昭「子どもを作らないから、生産性がない。お子さんを持たないご夫婦は生産性がないということになるね」
産婦人科医の宋美玄「多様性の問題ではなく、明らかに差別とかヘイト(憎悪、反感)の発言ですよね」
社会学者の古市憲寿「男女に当り前に認められている結婚する権利を、そういう人たちにもあげましょうという話で、特権や税金を与えるという話ではない。過剰にこうして煽るのはすごいミスリードだ」
自民党の二階俊博幹事長は「右から左まで多方面の人が集まって自民党が成り立っておると思っていますから」と杉田議員を擁護する。