御嶽海「スピード優勝」強さ復活の秘密はイメージトレーニング

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   関脇・御嶽海の大相撲名古屋場所での初優勝は、初土俵から21場所、3年4か月は歴代3位の早さ、日本出身力士として8場所ぶり、20代では栃東以来12年ぶりの優勝だった。しこ名は故郷の長野県木曽地方の御嶽山にちなんでつけられた。身長180センチと大柄とはいえないが、突き押しを武器に学生時代は学生横綱、アマチュア横綱だった。

   鳴り物入りで角界に入ると、これまでの最速で十両に昇進し、破竹の勢いで番付を駆け上がった。2年前には東の前頭筆頭になったが、そこで大きな壁に突き当たった。当時は大関の稀勢の里ら上位陣との対戦で、初日から5連敗したのだ。

   「重さ、パワー、全部ことごとく砕けた」と御嶽海は振り返る。場所前の横綱・白鵬との稽古でもまったく歯が立たず、予定の半分で稽古を終えていた。

持ち味の突き押しに加え四つ相撲

   持ち味の突き押し相撲が通用しなかったことで、御嶽海は突き押しをより低く、より速く進化させることを目指した。横からの攻めも取り入れ、対戦相手によって戦い方を変えるなど、あらたな相撲の模索が始まった。所属する出羽海部屋の親方にアドバイスを求めることも増えた。

   「すり足や鉄砲では、四つ相撲の人にはこうやって、押し相撲の人にこうやってとイメージしてやってます。イメージトレーニングは誰よりもしているかなと思いますね」(御嶽海)

   その1年後の昨年7月(2017年)、御嶽海は横綱・白鵬に勝った。白鵬が通算勝ち星タイ記録の1407勝をかけた注目の一番で、御嶽海は上手を取りに来た白鵬に対し、体を入れ替えて右の上手を取り、一気に寄った。これが相手の取り口に合わせた相撲を花開かせた一戦だった。

   今場所は押し相撲に加えて、四つ相撲も見せて、初日から11連勝。横綱3人、大関1人が休場した場所だったが、課題だった中盤、終盤で強さを見せ、初優勝を果たした。

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