うだるような暑さが続く日本列島。16日(2018年7月)には各地で39度超え、岐阜県揖斐川(いびがわ)町では39.3度を観測した。16日に熱中症で搬送されたのは全国で2020人、死者も5人出ている(共同通信調べ)。
熱中症に詳しい、江東病院副院長の三浦邦久医師によると、「温度が28度、湿度が70%以上のところで30分活動していれば、だれでも熱中症の危険性がある」と話す。この時期特に注意したいのが就寝時だ。
「エアコンを付けずに寝ていると、夜間熱中症の危険がある。しっかりとクーラーをつけ、体温、気温、湿度を把握することが大事」という。寝ている間は体調の変化に気付きにくく、気付いた時には手足も動かせず、助けを呼べない状況になっていることが多いというから怖い。
朝までしっかりとエアコンを利かせ、室温は28度以下、湿度は50%くらいを保とう。水は一気に飲むのではなく、1時間くらいかけてコップ1杯半くらいを飲むのがいい。
汗には「良い汗」と「悪い汗」がある
さて、暑い時に辛いものを食べることは身体にいいのだろうか? 激辛ラーメンを食べている男性をサーモカメラで見てみると、食事中、体温は一気に40度に達した。ところが、食後に再びサーモカメラで見てみると、食前よりも体温が低下していた。
これは、辛いものを食べたことで脳が「暑い」と誤解し大量に発汗させるからだ。重要なのは汗を蒸発させることで、垂れ流しはNGだ。激辛ラーメンを食べた後は、エアコンや扇風機で汗をしっかりと蒸発させよう。
さらに、汗には良い汗と悪い汗がある。良い汗はさらさらで無臭、小粒なのに対し、悪い汗はべたべたでアンモニア臭や皮脂などの臭いがあり、大粒だ。悪い汗は蒸発しにくい。涼しい時間帯に30分ほど運動をすると「悪い汗」が解消されるという。
最も怖いのは汗をかかなくなってしまうこと。熱中症で汗をかかなくなってしまったら一刻を争う深刻な脱水症状を起こしていることだ。腎機能、肝機能、脳障害などの恐れがある。これは夜間に起こることが多い。
司会の小倉智昭「僕ら子どものころはクーラーなんてなかったけど、当時も熱中症なんてあったのですか?」
三浦医師「当時は高温多湿な製鉄所などで多かったので、水分補給などで予防していた。アスファルトやコンクリートに囲まれ、自然の風や木陰も少ない現代では、街に熱がこもりやすくなってしまった。夜間も体内にも熱がこもったままで、熱中症になりやすいのです」
伊藤利尋(フジテレビアナウンサー)「小倉さんの子ども時代のようにはいかなくなってしまったということです」
小倉「夕方になると水撒いて、ドア開けっ放しで寝られた時代だからね」