「座りすぎ」は健康に深刻な影響を及ぼすことが、さまざまな調査で明らかになってきた。日本人は各国に比べても座る時間が長いそうだ。
2012年にオーストラリアで行われた男女22万人を対象にした調査で、1日あたりの座る時間が4時間未満の人に比べ、11時間以上の人は死亡のリスクが40%も上がることが明らかになった。今年(2018年)4月には、アメリカの研究グループが、座りすぎによってアルツハイマー病などの認知症のリスクが高まるという論文を発表している。
早稲田大学スポーツ科学学術院の岡浩一朗教授は「座りすぎがすぐに何か病気を引き起こすわけではありませんが、毎日同じ生活が続くことで、5年後、10年後に現れるサイレントキラーです」と説明する。
ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、全身に血液を送る役割をはたしているが、座り続けることで静脈に大きな負担がかかって血流が滞り、これが糖尿病や心臓疾患などにつながるおそれがあるのだ。
30分に1回立ち上がって予防
座りすぎ対策として、「30分に1回、立って動くということを心がけてほしい」と岡教授は呼びかける。石川県野々市市では、会議中にタイマーをセットし、30分ごとに必ず全員が数秒間起立するようにしている。介護長寿課の堤喜一課長は「もともとは健康寿命を延ばすことが目的でしたが、起立することで無駄話や長話がなくなり、会議の時間が短くなるという効果も出てきました」と話す。この取り組みは、市内の手芸教室などにも浸透しつつあるという。
司会の国分太一「座って番組を進行するのが怖くなってきましたね」