「紀州のドン・ファン」を気取った資産家の野崎幸助さん(77)が自宅で急死して、きのう24日(2018年6月)でちょうど1か月。死因は「急性覚醒剤中毒」と判明したが、警察も「殺人事件」として捜査を進めているものの、誰かが「一服盛った」という構図が描けないでいる。
「ビビット」も困ったらしい。この日の目玉というのが、「独自に入手した」という野崎さんの会社の金庫室の映像だった。すでに20日、警察が家宅捜索に入っていて、金庫も、かつて「現金が詰まっていた」(従業員)という大型トランクも、みなからっぽ。警察が何を押収したのかもわからない。
22歳年下の妻や家政婦は、関わりは出ていないらしい
この金庫室の入り口の鍵は、社長の野崎さんだけが持っていて、従業員も社長と一緒でなければ入れなかった。金庫は2つあって、大きい方が現金、小さい方が証書類だったという。また、金庫に誰かが触れると、防犯カメラが作動し、警備会社に通報する仕組みになっていた。
映像を見ると、今はどちらも開けっ放しでからっぽだ。また、従業員が「現金が入っていた」というトランクも中身はない。1、2年前に「持ってみたら重かったので、なん億円も入っていたと思う」という話だ。トランクは、粘着テープでぐるぐる巻きにされていたという。今の映像でも、そのテープの一部が付いているのがわかる。
覚醒剤がらみでは、先に庭から掘り起こして鑑定していた野崎さんの愛犬イブについて、一部で「覚醒剤は検出されなかった」と報じられた。警察は何も発表していない。
MCの国分太一、「これで捜査が振り出しに戻るというわけではない?」
元神奈川県警刑事の小川泰平さんは、「第三者との関わりで、可能性の1つがなくなったということ」という。
しかし、野崎さんがどうやって致死量の覚醒剤を摂取したのかは依然謎だ。小川さんによると、通常の摂取量の何十倍という量を自分で飲むのは、苦くてまず不可能という。また、何かに混ぜて飲まされたら、気づくという。しかし、野崎さんの体には注射などの痕は全くなかった。
ではどうやって? この肝心なところがわからない。警察は「ビールに仕込んだ可能性」を調べて、会社(酒の販売もしている)のビール瓶まで押収しているが、そもそも発泡性のビール瓶に混入なんてできるのかどうか。
小川さんは、「いくら苦いビールでも、わかる」と否定的だ。
野崎さんの22歳年下の妻や家政婦は、野崎さんの死との関わりは出ていないらしい。といって、当日他に誰も屋敷に出入りはしていない。つまり、1か月たっても、何もわかっていないように見える。