米朝首脳会談、南北首脳会談で朝鮮半島をめぐる情勢は大きく動いているが、安倍首相は乗り遅れまいと「次は日朝会談、私の番」と前のめりになっている。可能な限り早期に実現するよう関係当局に調整を指示したという。
たしかに、トランプ大統領は米朝首脳会談で金正恩委員長に「日本とも対話すべきだ」と促し、金委員長も「日本と対話を進めたい」と応じ、従来の「拉致問題は解決済み」という主張はしなかったと言われている。
日朝首脳会談が実現すれば、2004年の小泉純一郎首相以来となるが、共同通信の元平壌支局長、磐村和哉氏は9月下旬(2018年)に開かれる国連総会に向けて、日朝首脳会談が調整されるのではないかと見る。
「『日本』との対話は進めるが・・・」
司会の小倉智昭「したたかな北朝鮮ですから、全員返すと簡単に言うとは思えない」
中瀬ゆかり(「新潮社」出版部長)「米朝首脳会談でも、金正恩さんの方がすごく良い思いをしたイメージがあります。そこは毅然とした態度で臨んでほしいですね」
実は、首相官邸があえてミスリードしている点がある。北朝鮮は日本との会談を進めるとしているが、安倍首相と会うと言っているわけではない。安倍首相は昨年秋の総選挙で、北朝鮮を敵視して「国難」と叫び、最近まで対北圧力を強めろと主張していた。その安倍首相との会談に、北朝鮮側も「はい、そうですか」と簡単に応じるわけにはいかないだろう。
北朝鮮側には日朝会談を急がなくてはならない事情はない。秋の自民党総裁選で次の首相がだれになるかを見極めてからと考えているかもしれない。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト