米朝首脳会談をアメリカの『CNN』は「実務というよりもショ―だった。(トランプ大統領と金正恩委員長の1対1の会談は)短い時間ではないが、通訳を挟んで話をしている。実際の会話は半分程度に過ぎない」とそっけなく伝えた。
『ニューヨーク・タイムズ』も「北朝鮮が合意を履行するかどうかは、何も保証がない。共同声明は具体性もデッドラインもない骨子にすぎない。韓国との軍事演習中止の発表や演習を『挑発的』『高くつく』と表現したことを危惧している」と厳しい。
『USA TODAY』は「金委員長が欲しいものを手にしたことは疑いようがない。長くのけ者にされてきた北朝鮮の国際的な正統性を引き上げた」と皮肉な言い方だ。
非核化検証できない大失敗
司会の羽鳥慎一「かなり厳しいところがあります。どうですか」
太田昌克氏(共同通信社・編集委員)「CNNやニューヨーク・タイムズはトランプさんに批判的なので当然ですが、私も同じように思います。外交は結果がすべてです。安全の保証を与えたのはいいが、検証可能な非核化をちゃんと約束していない。これは最大の失敗です」
辺真一氏(「コリア・レポート」編集長)「裏を返せば、北朝鮮としては、トランプ大統領を信用できるのか、体制保証の確実な担保を取り付けたのかという言い分になります。それを言い合ったら前に進まないので、両トップが信頼して着実に行こうというのが、きのう(2018年6月12日)の会談だったと私は聞いています」
トランプ大統領は記者会見で、「金委員長をホワイトハウスに招待したい」といっていたが、これからが正念場だろう。