「人のために何かしようとするタイプです。世界に羽ばたいていくような夢があったと聞いています」
先週土曜日の9日(2018年6月)夜、新幹線「のぞみ」の車内で女性を助けようとして刃物で切られ死亡した会社員、梅田耕太郎さん(38)の勤務先の上司はこう無念を語った。
人当たりが良くて、優秀で、会社を背負っていく人材といわれていた。東京大学大学院を卒業し、去年(2017年)4月から外資系大手化学メーカーに勤務し、主にプラスチックの開発に携わっていた。
「お客様から非常に好かれていました。温厚で頭が切れ、明るく前向きでした。現場で何が起こったか分かりませんが、信じられません」
上司は返す返すも残念がる。
荷物検査では防げない無差別凶行
司会の羽鳥慎一「梅田さんの人となりがわかってきました。この事件では手荷物検査がポイントになっていますが、新幹線はピーク時は3分おきの過密ダイヤです。手荷物検査は現実には難しいですね」
青木理(ジャーナリスト)「私も他人事ではなくて、あの場面に居合わせたら、梅田さんのように勇気をもって行動したかどうか考えてしまいます。利便性と安全性のバランスですが、手荷物検査は難しいですね」
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「例えば、新幹線で完全な防犯チェックができたとすれば、容疑者は次には山手線の電車を狙う。電車が完全になれば、今度は混雑した交差点に行く。きりがないですね。発想を変えないと」
羽鳥「誰もが利用する新幹線、どうすればいいのか、考えさせられる痛ましい事件でした」
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト