何が何でも田中理事長を守りたい日大のお家事情 東京五輪を的に日大王国の野望とは

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   アメフトの「悪質タックル」問題で1日(2018年6月)、先に監督を辞任した内田正人氏が常務理事も辞めた。しかし、トップである田中英寿理事長は一切姿を見せず、会見した大塚吉兵衛学長も、「運動部も学生も私の管轄。経営は別だから」と歯切れの悪いやりとりに終始した。

東京五輪に大量の日大出身選手を送り込む

   日大はこの日、午後1時から定例の理事会が開いたが、結果を待ち受ける記者たちに、大学広報は「会見はありません。結果はFAXでお知らせします」と一方的に告げた。そして午後2時半、「5月30日付で内田常務理事の辞任を承認、決定した」「学内外に多大なご迷惑をかけた責任を取った」とのFAXがあった。

   この後、大塚学長らはスポーツ庁へ向かい、鈴木大地長官に約90分にわたって事態の説明をした後、ようやく記者団の前に姿を見せた。説明は、内田氏の辞任、第三者委の設置などだが、記者から「なぜ解任でなく辞任なのか」と問われて絶句。傍から別の理事が「5月30日に辞表が提出され、それを承認した」といった。

   さらに「なぜ田中理事長は顔を見せないのか」と聞かれ、大塚学長は「運動部や学生は職階として私の管轄。経営は別です」と言った。「理事会で田中氏はなんといったか」にも、はっきりとは答えられなかった。ただ、誰もが田中氏に言及するときは「敬語」を使った。

   大学に詳しいジャーナリストは「田中氏を守ろうというのがアリアリ」と言った。この「敬語」が、田中氏の特異な立場と日大の実像を表しているという。

   田中氏は日大相撲部のエースだった。学生横綱の後、日大職員となり、3度のアマ横綱、7度の日本一に輝いた。その後、常務理事などを経て2008年理事長の座に就いた。

   就任1年目から黒字化するなど経営手腕を発揮、11万人の学生を擁し、年間予算2620億円の日本最大の学校法人の揺るぎないトップになった。昨年(2017年)の入学式では、「行動に移せる知識と知恵と勇気を身につけなければならない。日大はそのために最大限の教育を提供する」と訓示していた。

   さらに来年は開学130周年で、千代田区に日大病院を建設するなど、事業拡大の計画がある。2020年の東京五輪には大量の日大出身選手を送り込む構想を持っていたといわれる。4期目の任期満了がその20年だ。「田中氏を守る」のはそのためとも見える。

   しかし、昨日(3日)藤沢キャンパスで行われた説明会を訪れた高校生たちからは、今回の事件から「ショック」「どうしようか」「他の大学にしようか迷っています」といった声が聞かれた。卒業後の就職にも響くと心配する声まであった。

他大学なら対等のはずの理事長と学長が上下の関係

   キャスターの国分太一は「事件から1か月ですが、日大全体の問題になった」

   真矢ミキも「大学と言うより企業ですね」という。

   弁護士で中大教授、陸上競技部の顧問も務める野村修也氏がこう解説した。

   普通の大学は、経営と教育が別のピラミッドになっているが、日大の場合は、教育の上に経営が乗っかっている。他大学なら対等のはずの理事長と学長が上下の関係にあり、アメフト部の監督だった内田氏が経営の常務理事、人事担当という要職にあった。学長より上のナンバー2。ゆくゆくは理事長に、ともいわれていたという。

   野村氏が「これでは、全体のガバナンス、改革はできない」という。

   司会の堀尾正明「第三者委がワンマン体制に切り込めるか」

   野村氏「7人の弁護士だが、アメフト部の問題に集中して、日大全体の問題に触れない恐れがある。タックル問題は、学連がもう処分を出しているのに」

   やっぱり理事長を守る必要があるということか。

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