アメリカ・オレゴン州で昨年9月2日(2017年)、ハイキングに来ていた15歳の少年が故意に投げた花火が原因で大規模な山火事が発生し、裁判所はこの少年に40億円の賠償金を命じた。親の肩代わりを認めていない。
山火事は3か月近く燃え続き、約194平方キロ(東京・八王子市全域に匹敵)を焼きつくした。この火事で高速道路が閉鎖され、数百人の住民が避難を余儀なくされた。
判決は少年を保護観察5年、植林など林野分野への奉仕活動1920時間、公園や鉄道、消防当局など11団体に対する賠償金約40億円というものだった。奉仕活動だけでも1日8時間で240日間。賠償金は毎月10万円ずつ払っても333年間払い続けなければならない。さてどうやって支払うのか。
一生かかっても払いきれないが・・・
ニューヨーク州の弁護士資格を持つ元財務官僚の山口真由氏は「少年が支払えるとは想定していないでしょう。少額でも支払いを続けていれば、10年後に賠償金が免除されるのではないでしょうか」と見る。オレゴン州法には、10年後に更生したかどうかを裁判所が判断して、賠償金の見直しをする制度があるという。
浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「奉仕活動の条件として、林野当局への奉仕となっているんですね。そちらが判決の本質だと思います」
犯した罪の重さを伝え、罪を償うことの大事さについて身をもって教える。少年犯罪の凶悪化、低年齢化への対処策として考えさせられる。
文
モンブラン