白い煙が充満する中、赤ちゃんの泣き声と必死であやそうとする母親の声が聞こえる。目を凝らすと、煙から逃れようと頭を下げ、口を押える乗客たちの姿が見える。
きのう21日(2018年5月)午前10時ころに成田空港で撮影された、全日空系エアージャパン機内の様子だ。
乗客・乗員123人を乗せた旅客機が、香港へ飛び立とうと動き出そうとした時、エアコンから白い煙が出始めた。およそ15分後、機内には白煙が充満した。
「この状況で何も説明がない20分は長い」
「落ち着いてください」「頭を下げて、口をふさいでください」と、乗務員からおしぼりが配られたほか、説明は何もなかった。煙で視界を奪われ、異臭が漂う機内に閉じ込められた乗客の中には「死ぬかと思った」というほどの恐怖を覚えた人もいた。
発生から20分後、ようやくドアが開き乗客らは外に出られた。
国土交通省などは、最後部にある補助動力装置になんらかの故障があり、オイルが漏れて煙が発生、エアコンダクトを通じて客室に充満したとみている。元日本航空機長の塚原利夫氏は「整備上の見落としがあったのではないか。今回は人命に関わるような究極のダメージではないが、整備は完璧を目指さなければならない」と話している。
青木理(ジャーナリスト)「飛行機整備の取材をしたとき、1つの大きな事故の背後には細かいミスがたくさんあると聞いた。整備ミスがあったのだとしたら、原因究明と再発防止をちゃんとしてほしい」
羽鳥慎一(司会)「20分間、この状況はきついですね」
菅野朋子(弁護士)「なにも説明がないのはものすごく不安。今はテロもあるし、毒ガスかも知れないとか考えてしまう。ものすごく長く感じたでしょう。今後精神的な影響も出てくるかもしれない」
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「乗っている側はパニックにならないことが大事なんだけど、そのためには、なるべく早いアナウンスが必要です。地上にいたんだったらさっさと戻ればよかったのでは? ドアさえ開けたら煙は出てくわけだから」