アメリカンフットボールの悪質プレー問題で、被害を受けた関西学院大選手の父、奥野康俊さんがきのう21日(2018年5月)夜、記者会見して警察に被害届を出したことを明らかにした。「謝罪」に訪れた加害者側の日大アメフト部・内田正人監督の言動から「真実を聞くことができなかった」ために刑事告訴一歩前の被害届提出を選んだという。
内田氏は「すべての責任は私にある」といいながら、奥野さん親子への謝罪でも、その後に空港で行った記者会見でも、監督指示があったかどうかをはっきりさせなかった。監督は辞めても日大の常務理事などの役職は「違う問題」として固執し続ける意向も示していた。この間、大学名「かんせい学院大」を「かんさい学院大」と間違って呼び続けるありさまだった。
加害選手がきょう会見、覚悟をもって答えると弁護士
奥野さんは「つぶしてこい、壊してこい、殺してこい、けがをさせろ、の4つのワードを息子に対して向けられたら、どの親も怒ります。加害選手がなぜあそこまで追い詰められたのか、ひとこと言ってほしかった」と真実究明を求めた。息子の奥野選手は試合後「こんなに親に心配をかけるのなら、アメフトをやるのではなかったと泣いていた」という。
一方、ラフプレーをした日大選手はきょう22日午後、自ら記者会見を開く。代理人の弁護士は「覚悟をもって会見に出る。できる限りお答えする」と話す。現在は大学に行かず、練習にも出ず、すでに退部届を出したという情報もある。
司会の小倉智昭「会見は彼の人生にかかわる。よく答えてほしい」
監督の指示で反則行為をやらされたという周囲の証言がすでに複数あがっている。山田秀雄弁護士は「その選手がそう言い、周りの選手も言ったら、可能性は高まる。証言、映像、選手本人の発言が重要なポイントになる」と見る。
小倉「日本独特の『政治の闇』がそうだが、誰かが責任をとって辞めると、本当に知りたかったことが分からなくなる」
内田氏が監督を辞任しても、常務理事などの役職にとどまれば実質的な支配は続く。そういう「院政」になっては何も変わらない。あいまいな幕引きにさせてはいけない。