「お悩み法律相談ショー」コーナーで、夫婦げんかのトラブルを取り上げた。50代の会社員は同じ年の妻と子供2人で仲良く暮らしていた。ところが、先日、ちょっとしたけんかで妻の肩を押したところ、はずみで妻がソファーの角に顔をぶつけてしまった。
本人同士は仲直りしたが、妻の頬に全治3日間のアザができたことを知った義父が、「人をけがさせたのは犯罪だ。警察に行こう」と譲らない。
街で聞いてみると・・・「罪に問われない」が多数派
罪になるのか。街で聞くと「訴えたのが本人じゃないから罪はならないと思う」(30代妻)、「妻が許しているから罪にならない」(70代男性)、「やろうと思ったんじゃない。とっさのことだから」(70代妻)と、「罪に問わない」が多い。
一方、「やっぱり、けがをさせたのはアウト」(30代夫)、「いくら夫婦といっても罪になる。口げんかくらいならいいけど」(70代妻)と夫の罪を問う声もあった。集計すると、「罪に問われる」が38%、「問われない」が62%だった。
司会の国分太一とキャスターの堀尾正明は「問われる」、司会の真矢ミキ、原晋(青山学院大学陸上部監督)は「問われない」だった。「DVとは違いますから、夫婦はけんかするほど仲がいいと言いますからね」(原)
大阪地裁判決「夫婦げんかに基づく軽微な傷害は処罰しない」
裁判官役の三輪記子(弁護士)が下した判決は「罪に問われない」だった。1962年の大阪地裁の判決では、「夫婦げんかに基づく軽微な傷害は、それが強暴でなく、かつ夫婦関係の破壊を伴わない限り、刑法によって処罰しない」とされている。夫婦げんかのけがの目安は「全治1週間程度」だそうだ。
国分「心の傷はどうなりますか」
三輪「いい質問です。けがをさせなければ何をやってもいいというわけではありません。いまはDV防止法ができて、言葉による心の傷でも抵触する可能性があります。何かあったら警察を呼んで下さい」