先週27日(2018年4月)に開かれた南北首脳会談で、韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長によって署名された「板門店宣言」。お祝いムードが高まっていた韓国にロシアと中国が待ったをかけた。
ロシアのプーチン大統領は29日、文大統領に電話をし、「引き続きすべての関係国が関与していくことが重要だ」と釘をさした。
「文大統領は、本当にしたたかな政治家だ」
板門店宣言では「北朝鮮、韓国、アメリカの3者、または中国を入れた4者会談で朝鮮戦争の終戦を推進していく」とされ、ロシアが蚊帳の外になることを懸念してのことだ。ロシアとしては非核化について話し合いをしてきた6か国協議を再開することで解決したい考えだ。
中国は宣言の中の「または」の部分に物言いをした。中国の参加なしで平和協定へ転換する可能性があることに反発した。王毅外相はあす、あさって(5月2~3日)と北朝鮮を訪問し、南北首脳会談で合意した内容の説明を受ける。そこで米朝首脳会談に向け、中朝の連携を確認すると見られる。
一方、米朝首脳会談を前に、南北首脳会談を主導してきたアメリカの反応はどうなのか。
トランプ大統領は「状況はいい方向に向かっている」と楽観的だが、政権内では「アメリカは目をしっかりと開いた状態で北朝鮮の動向を注視し、(非核化に関する)はっきりとした行動を北朝鮮に要求していく」(ポンペオ国務長官)、「明確な証拠を目にするまでは懐疑的な姿勢も崩すべきではない」(ボルトン大統領補佐官)と、警戒する声が目立つ。
トランプ大統領は日本時間のきょう(5月1日)未明、米朝首脳会談の開催場所について「板門店」もあり得ると発言した。
中林美恵子氏(早稲田大学教授)「金正恩氏とトランプ大統領はやりとりの仕方が似ているところもあり、似た者同士でうまくいくのではないかという声も聞こえます」
青木理(ジャーナリスト)「北朝鮮もアメリカもこの会談は絶対に失敗できない」
中林氏「米朝会談は半分以上成功するということを見据えて実施されます。実際に2人が会えば、結果として成果を出すしかない」
辺真一氏(ジャーナリスト)「ポンペオ国務長官が金正恩氏と2度にわたって差しで話したことは大きい。金氏は具体的なことを言っているはずです。前座と言われた南北首脳会談が成功したということは、米朝首脳会談はやる前から半分成功しています」
青木「昨年末には戦争が起こるかもしれないという緊張状態だったのに、平昌五輪で緊張を対話ムードに変えた文大統領の努力は大したものです。本当にしたたかな政治家です」
ピノコ