「土曜・あるある晩餐会」(2017年4~9月・土曜22時)、「テンション上がる会?」(2017年10月~今年3月・日曜昼)でタッグを組んできた今田耕司と指原莉乃が、今度は土曜深夜に殴り込み(スタッフも一緒)。「土曜・あるある晩餐会」で一回やった『巨額詐欺で大金を騙しとられた芸能人あるある』を発展させた内容で、世の中でよく見かける、おいしいけど限りなく怪しい儲け話などを弁護士と一緒に徹底調査したりする新番組とのこと。
初回である今回のテーマは「弁護士といっしょに、ネット上の怪しい超高額アルバイト情報を調査せよ!」。調査は番組スタッフ1名と、スタジオ(会議室)にも登場している田上嘉一弁護士がネットと電話を駆使して行う。
最初の調査対象は、「年齢性別不問」「日払い」で「月平均200万円も稼げる」と謳う求人情報。メールで問い合わせると、早くも3分で返信が。「(募集は)まだございます。キャッチのお仕事なのですが、お住まいと年齢はどちらになりますか?」という内容だ。キャッチというと、客引きのことなのだろうか? VTRを見る指原も「えー、それでそんな稼げます?」と言う通り、疑問である。ということで、今度は住所と年齢と共に「キャッチというと呼び込み的なことでしょうか?」と返信してみることに。すると、更なる相手からの返信では「敬語ができればどなたでもできます」という、「それだけ!?」って思う内容だ。しかし、その後のメールの続きから一気にヤバさが増してくる。
「月平均200万円」は特殊詐欺の"受け子"だった
メールの続き、「客引きか?」という質問に対する答えが「いえ、対象の家に行き、カードを貰ってくる仕事です」ときた。うーん、これは客引きでは全然ない...なんだ、これは!? 更に「報酬が1日に下ろした金額の20%なので、およそ7.5万円です」と続く。"下ろした金額"という言葉から察するに、カードとはキャッシュカードのことらしい! つまりまとめると、『誰かの家からキャッシュカードをもらってきて、下ろしたお金の20%が報酬の仕事』...!これでは言うまでもなく犯罪だ。田上弁護士も「これで一番思いつくのは、特殊詐欺の"受け子"もしくは"出し子"の役割」だと言う。受け子はターゲットからお金を直接受け取る役目、出し子はATMからお金を引き出す役目だ。
そして更にメールが。「明日からお願いしたいです。スーツなどはお持ちですか?」。田上弁護士が「詐欺のストーリーの役割上、スーツを着ている必要があるのでは」と推測する。そして更に「どういった内容で家に行くのでしょうか?」とメールで質問すると、「基本、銀行員か、カードセンターの職員で行きます。こちらで偽造カードを用意してそれと交換という形です」と核心に迫る内容が! これは「キャッシュカード手交型詐欺」で、ターゲットに、本当は普通に使えるキャッシュカードを使えなくなったと偽り回収、逆に使えない偽造カードを新しい使えるカードと偽り手渡すという手法だ。詐欺師グループは予め暗証番号を聞き出しておくため、口座の金額は全て下ろされてしまう。この求人を引き受けた場合、末端の役割だが当然詐欺罪に問われる。なんとも怖い。番組でも勿論言っていたが、このような求人に出会っても絶対に引き受けないで頂きたい。
そして、実はもう一つ「即日即金、高収入を約束」「年齢性別一切不問」という怪しいバイトを取材したが、こちらも別の手法の特殊詐欺のバイトという恐ろしい結果に。"弁護士といっしょ"のため法律上的確に、怪しい情報を徹底調査できるのが番組の良い所。今回調査した案件は、現実感のある怖さが凄まじく、同時に見ごたえもあるものになっていた。超低予算で遅い時間帯の放送だが、なかなか硬派な番組だ。
(4月21日深夜1:30放送)
鯖世 傘晴