平昌(ピョンチャン)五輪のメダリストの2つの凱旋パレードが、昨日午後行われた。スピードスケートの高木菜那(25)、美帆(23)姉妹は北海道・幕別町で1万8000人、フィギュアの羽生結弦選手(23)の仙台市は10万8000人と、規模は違ったが、どちらも掛け値のない地元のファン。温かい熱気は本物だった。
町の子どもたちとハイタッチした高木姉妹
幕別町では高木姉妹を知らない人はいない。その姉が金メダル2つ、妹が金銀銅3つを獲ったのだから、みんなわがことのように喜んだ。人口2万7000人の3分の2が集まった。
パレードは幌内駅近くの広場から1.2キロ先の公園まで。小さなオープンカーに2人並んで、笑顔で目と鼻のさきを通っていく。「よっ、世界一」と声がかかる。姉妹も知った顔がいたるところにいる。「ああ」「ありがとうございま~す」と生の挨拶だ。
そして終点には、姉妹の提案で子供達のための特別のハイタッチコースが設けられ、小・中学生400人が集まった。高木姉妹が、一人一人とタッチしながら歩いた。子供達も姉妹が首から下げたメダルに触ったりして、「すげえ、本物だ」などと大喜びだ。その後、公民館での歓迎のダンスには、姉妹も飛び入りで踊り、大はしゃぎだった。
「姉妹でいることも少ないので、いい機会だった」(菜那)。「この町に生まれて本当に良かった」(美帆)。見ていてほっこりするパレードだった。
羽生選手「この風景を胸に刻んで生きていく」
一方、仙台の羽生選手のパレードは、大規模だった。前回の金メダルパレードでは、9万2000人だったが、今回は連覇だから、当然と言えば当然。グッズは売り切れ、沿道の店もビルもそのための準備が入念に行われた。また、ファンも、羽生選手の目に入るようにと、様々な工夫をした飾りボードを用意して、待ち構えた。
羽生選手はバスの屋根に作られた特別のステージに立った。駅前の大通り約1.1キロを40分かけてゆっくりと移動。羽生選手は、沿道左右を満遍なく振り向き、手を振り、さらに五輪の演技「SEIMEI」で見せたスタートと決めのポーズを何度も繰り返して見せた。
パレード後、羽生選手は、「この風景を胸に刻んで生きていきたい」と観衆の声援に応えた。また、その後の会見では、「ソチ五輪では、次が頭にあったが、今回はやりきった、夢をかなえきったという思いがある」と語り、次の五輪については言葉を濁した。
加藤浩次も、すごかったねぇ」の一言。もう言葉なんかいらない。