レスリング女子の伊調馨選手やコーチをめぐるパワハラ問題で、レスリング協会の副会長でもある至学館大学の谷岡郁子学長がきのう9日(2018年4月)、コメントを発表した。紙書き1枚の内容が、また物議と批判を呼びそうだ。
パワハラ辞任の栄氏を大学監督に留任、「選手全員の希望」と
その中で谷岡氏はパワハラ行為と認定されて協会強化本部長を辞任した栄和人氏を大学の監督に留任させると表明した。「選手たちの思いを尊重する」と考えたのが理由で、選手全員が栄氏の指導を求めているという
。パワハラ騒動渦中に開いた自身の記者会見で「パワーもない栄にパワハラなんかできない」と怒りもあらわに激しく全面否定したことには、谷岡氏は一切触れなかった。「そもそも選手なのか」と批判した伊調選手に対しては、まったく謝罪もなく「練習再開は喜ばしい」と言ってのけた。
これに対して、伊調選手を指導するなと栄氏から要求された田南部力コーチは「選手たちが栄氏や谷岡学長にものを言えるか疑問。私は言えなかった」と話す。元日本代表コーチの安達巧氏は「伊調選手の練習再開を喜ぶなどと軽々しく言ってほしくない」と違和感を語った。練習から締め出された人たちにすれば、何をいまさらということだろう。
司会の小倉智昭「谷岡氏はあれだけの怒りの記者会見をして、今回は紙1枚とはなんですか」
キャスターの伊藤利尋アナ「内閣府の調査結果が出たら会見するそうですが、なぜ今このタイミングでコメントしたのですかねえ」
スポーツライターの小林信也氏は「パワハラ認定に釈然とせず、前の発言を批判されたので、あえて伊調選手にも触れたのだろう」と見る。
古市憲寿(社会学者)「何も具体的なことを語っていない。コメントの意味がない」