大相撲春巡業の舞鶴場所で、土俵の上で倒れた市長の救護に当たった女性は、「私は看護師です。心臓マッサージができます」と周囲に断り、医師でもある市長がかつて院長を務めた病院に勤務した経験もあった。
市長はくも膜下出血で1か月間の安静、入院が必要という一刻を争う重篤な状態だった。脳神経外科の眞田祥一医師は、「心肺停止から3分以内に何らかの処置をしないと社会復帰が難しくなることもある。女性たちの対応がなければ非常に危険だった」と話す。
尾車事業部長 苦しい弁明「傷病の連鎖防ぐため」
その彼女たちを土俵から降りるように促した場内アナウンスが批判されているが、実はその後も失礼な対応があった。関係者が大量の塩を土俵に撒いたのだ。女性が上がったことで、土俵が汚されたということなのだろうか。目撃した観客は「取り組みの前に塩を撒きますが、あんな量ではなかったですよ」と呆れる。
日本相撲協会の尾車事業部長は「女性軽視はまったくない。連鎖を防ぐために撒いた」と釈明し、東京相撲記者クラブ会友の大見信昭氏も「ケガ人が出るなどのトラブルが起きると、塩を撒いて清める風習がある」と説明する。しかし、テレビの相撲中継などでも、土俵下に落ちて歩けなくなる力士が出ても、大量に塩を撒く光景は見たことがない。
吉永みち子(作家)「何をなすべきか、何をしてはいけないか。判断できる人がいなければいけないのに、そういう人がいなかったのでしょうね」
文
モンブラン