ダンスや弾き語り、化粧をしながらの何気ないトークなどをスマホでライブ配信し、それによって収入を得たり、CD発売にまでこぎつけたりする若者がいる。
大阪の岩えもんさんは渡辺直美に憧れる22歳だ。コンビニでバイトをしながら、1日2回、歌ったり踊ったりしている姿を自宅の部屋から配信する。「みんな~、岩だよ、いらっしゃーい」と配信を始めると、すぐにコメントや「いいね!」が視聴者から送られてくる。ダンス教室に通って腕を磨いているオリジナルダンスを計8曲も披露し、その間にトークや着替えも交える。約1時間の配信を短時間でも視聴した人の総数は28万2600人にのぼった。
岩えもんさんの場合、ライブ配信による報酬はコンビニのバイト代にはおよばない程度だそうだが、「いろんな人に覚えてもらって、自分の個性を生かせる。自分に自信が持てる」と話す。
「LINE LIVE」の配信急増
ライブ配信のアプリは多数あるが、たとえばLINEが運営する「LINE LIVE」では、昨年1年間(2017年)の総配信時間が前年に比べ19倍に増えたという。視聴者が事前に購入したポイントを配信者にプレゼントするシステムでは、配信者はもらったポイントの一部を報酬として現金で受け取れる。これが若者のライブ配信を加速しているともいわれる。
ライブ配信では気を付けなければいけないこともある。ITジャーナリストの三上洋氏は「生配信なので発言を取り消せないこと」「ポイントをあげるから、と第三者が接触を図ろうとするなど、未成年が犯罪に巻き込まれるリスク」の2点についてとくに注意が必要だという。
司会の加藤浩次は「僕もチラチラ見ることはあるけど、長いことは見ていられないんですよねえ」と苦笑しながらも、「簡単なように見えても、人をひきつけるためには、いろいろ大変なんですねえ」と感心しきりだった。