妊娠したら「どうして勝手にルールを破るの!」 保育園での「妊娠順番」ハラスメントが波紋

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   名古屋市の新婚男性(28)の新聞投稿が波紋を呼んでいる。男性の声は2月28日(2018年)毎日新聞の朝刊で「『妊娠順』園長が決定」という見出しで紹介された。

   男性の投稿によると、保育士の妻の働く保育園では結婚する時期や妊娠する順番を園長が決定し、先輩を追い抜いて妊娠してはダメという暗黙の了解があるという。ところが、妻は今年1月予定外に妊娠してしまった。夫婦で園長に謝罪したものの、「どうして勝手にルールを破るの!」と毎日のように叱責され、肩身の狭い思いをしているというのだ。

「妊娠順のルールがある」保育園は15%も!

   こうしたマタハラ(マタニティーハラスメント)は、保育園という職場ではよくあるようだ。ほかの園で働いていたある女性は園長から「産休も育休もとった人はいません。みんなその前にやめます」と言われ、妊娠を機に退職。「マタハラが多くて悔しかった」と振り返る。

   また、別の園に勤めていた女性は妊娠したことを園長に告げると「あなたは今妊娠すべきではない。ほかの人に迷惑をかけて何も思わないの?」と叱責されたと話す。

   マタハラは同僚からもある。元保育士のある女性は、妊娠で体調が悪く休憩時間に横になっていたところ、同僚から「そんなに気持ち悪いなら家で寝てればいいじゃん」と冷たく言い放たれた。

   「女性セブン」(4月12日号)が現役の保育士200人を対象におこなったアンケートでも「あなたが働いている保育園で妊娠の順番を決めたルールはあるか」という質問に、「ある」が2.1%、「似たようなルールはある」13.4%と、全体の15%にものぼった。

   保育研究所所長の村山祐一さんは「妊娠の順番を決めることはあってはならないことだが、やらざるを得ない園も実際問題としてある。若い保育士が次から次に入ってくれば誰が妊娠しても補えるが、人手不足でなり手がいないことが原因」と話す。

   青木理(ジャーナリスト)「考えられない。少子高齢化は日本が抱える最大の問題なのに、子どもを育てる保育士さんが妊娠してこんなことを言われるなんて......。この状況を放置しておくのは異常です」

   菅野朋子(弁護士)「順番を決めるのはもちろん違法。でも、根本には人手不足がある。問題は、こういうこと(順番をきめること)も含めて待遇が悪くて、さらに人手不足になるという悪循環になっていること」

   宇賀なつみ「ちゃんと順番を待ってもすぐ子どもを作れるわけではないですよね」

   菅野「妊娠は計画的にだれもができるわけではないし、時期を逃したら妊娠しにくい年齢になるということもある。そこはやはり人権侵害。でも、まずは体制を変えないと」

   羽鳥慎一「確かに、園長先生の言葉はひどい。でも、構造を変えないとなくならない問題です」

文   ピノコ| 似顔絵 池田マコト
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