庭から伸びた松の木の枝が道路を塞ぎ、ぶつかってケガ人も続出しているにも関わらず、断固として伐採を拒否していた東京都豊島区の通称「松の木トラブルの家」の家主の男が1日(2018年4月)、暴行容疑で現行犯逮捕された。道路を挟んだ前の新築アパートにガス点検に来た業者に殴りかかったのだ。逮捕の瞬間をモーニングショーがカメラにとらえた。
番組は2年半にわたり取材をしてきたが、近隣住民の迷惑になっていると伝えても男は「僕の作品だから切らん!」の一点張りだった。
それどころか、家の前に座り込んで道路を監視し、車はもちろん、自転車や通行人までも「私有地だから」と通さない男。さらに先月、道路を挟んだ向かいに新築アパートが建つと、そこに人が出入りするだけで怒声をあびせていた。
恐怖のあまり2週間で退居した近隣住人も
「松の木」のことは不動産業者から知らされていなかったという男性は、アパートに入居する際、冷蔵庫などを1人で運んでいた。業者の車を停めると怒鳴られるからだ。「1日目にしてすごいストレス。どうにかしてほしい」と頭を抱える。怒鳴り声に耐えられず、たった2週間で退居した住人もいるという。
長年近隣住民を恐怖に陥れていた「松の木」だが、ついに1日(2018年4月)から豊島区条例が改正された。これまで、根の生えた場所の住民の許可なく枝を切ることはできなかったが、「竹木その他の土地の定着物が道路との境界線を越え、通行の妨げとなっている状態は管理不全な状態」とされ、行政代執行の対象になり、伐採できるようになったのだ。
ただ、男は「条例が変わっても切らせない」と言い張っていて、なかなか手ごわそうだ。
羽鳥慎一「住人の方は不動産業者から説明がなかったと言っていましたが」
住田裕子(弁護士)「不動産契約の場合、重要事項説明というルールがありますので、本来は事前に知らせるべきです」
羽鳥「引っ越しの負担は?」
住田「家主や不動産業者の違反なので、ある程度負担してもらえるはず。特に敷金や礼金は」
石原良純「前は家の中にいたり出かけたりいているときもあったけど、家の前で露骨に見張るようになったんですね」
羽鳥「アパートが建ったということがきっかけになったのかも知れません」