「証言拒否オッケーです」「総理夫婦の指示はありませんよね?」 茶番劇に終始した証人喚問

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   財務省の決裁文書の改ざん問題で、佐川宣寿・前国税庁長官(60)の証人喚問が、27日(2018年3月)午前9時半から始まった。しかし朝のテレビの情報番組にはまさに泣き所。最初の質問に佐川氏が答えた9時49分、キャスターの小倉智昭が「『とくダネ』はここまで」と番組終了宣言。中継だけが次の番組「ノンストップ」になだれ込む展開になった。

   委員会は午前9時半から始まったものの、委員長が「証言を拒むことができる」要件を長々と読み上げる。「そうすれば答えなくていいですよ」と言っているようなものだ。さらに証言の撮影、録音の「許可」に至るまでの手続きと、佐川氏の宣誓と署名。最初の質問者、自民党の丸川珠代氏が立つまでに16分が経っていた。

安倍総理と昭恵夫人を守る質問ばかりの丸川議員

   丸川氏の「誰の指示で、なぜ書き換えが行われたのか」という質問に、佐川氏が昨年(2017年)2月の経緯を述べているところで時間切れ。

   で、時間切れの後、禁を犯して(?)「ノンストップ」の中継を見ていると、本質が見えてきた。佐川氏は冒頭から「刑事訴追を受ける恐れがある」と答弁を差し控えると言っていた。

   また、質問の丸川氏も、「安倍総理からの指示はありませんでしたね?」「昭恵夫人からの指示もありませんでしたね?」と確認調。同様に聞いた官邸、秘書官、麻生財務相についての「指示はありましたか」と違う。まさしく茶番だった。

   「とくダネ」ゲストの若狭勝・元衆院議員と柿崎明二・共同通信論説委員ともに、「佐川氏はしゃべらないだろう」という見方。国会議員の追求能力を全く信じてはおらず、佐川氏の壁が突き破れるとも思っていなかった。

   ただ、佐川氏が「差し控えたい」を連発した場合、国民の印象は最悪になり、内閣支持率に直結するのは確実。小倉は「昭恵さんだということにもなりかねない」という。

   この辺り、官邸ものんびりと見守ってはいられまい。昨日の国会では、財務省の矢野康治・官房長が、首相と財務相の指示は否定したが、「官邸からの指示は調査中」と答えている。このあたりが突破口?   要は「忖度」に札が付けられるかどうか。これは難しい。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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