前文科次官に異を唱えた赤池議員、今度は「ちびまる子」の「友達に国境はな~い」に噛み付く

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   前川喜平・前文科事務次官が名古屋の公立校で行った授業に異を唱えた自民党文部科学部会長の赤池誠章参院議員が、今度は文科省が推奨した「ちびまる子ちゃん」の映画のキャッチコピー「友達に国境はな~い」に噛み付いた。「国境は重要だ」というのだ。やっぱりこの人、かなりおかしい。

   前川前次官の授業は16日(2018年3月)、名古屋市の公立中学で、全校生徒を対象に行われた。赤池議員は翌17日、文科省に授業の内容を確認するよう求め、文科省が名古屋市教委に、授業の録音データを求めた。これが「政治の不当な介入では?」と物議を醸した。

「子どもに国境はないというウソを教えてはいかん!」

   前川氏は、安倍首相の盟友が経営する加計学園の獣医学部の新設問題で、官邸からの圧力があったと明かし、「行政が歪められた」とまで言った。そのために、菅官房長官から私生活への攻撃まで受けていた。この辺りは極めて政治的だ。

   その赤池議員が23日、自身のブログで、映画「ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年」に改めて噛み付いた。映画は2015年に公開された。文科省とタイアップした作品で、当時の馳浩文科相がポスターの紹介で、「友達に国境はな?い」と言っていたものだ。

   赤池氏はその直後の2015年12月3日付のブログで、「みなさん、『友達に国境はな?い』というポスターを見て感じることはありませんか。私は思わずのけぞりそうになりました」とこう綴った。「国際社会とは国家間の国益をめぐる戦いの場であり、地球市民、コスモポリタンでは通用しない」「文科省には猛省を促しました」

   23日のブログは、雑誌の質問に答える形で改めて同じ主張を展開した。「文科省が子供向けとはいえ、『国境はない』という嘘を教え、誤認をさせてはいけない」「国境は歴然としてあります。国家があってこそ平和で安全な暮らしが守られる」。さらに「国家意識なき教育行政を執行させられたら、日本という国家はなくなってしまう」とまで。

   しかしこれを中学生に聞くと、「これは比喩的なことで、実際の国境とは関係がない」(男子15歳)、「人とのつながりについて言っているので、嘘だとかいうのは違うんじゃないか」(女子14歳)と、これは極めてまともだ。

キャスターの小倉智昭「国境がないのはおかしいだろうと吠えた議員よりも、中学2、3年生の方がよくわかっていた」
リポーターの森本さやか「国境を越えて友達になれるんだよ、という映画だったんですけど」
橋口いくよ(作家)「最近、文脈を読める人が減っているけど、これは子供でもわかること」

   小倉が「こんなことに時間取るより、明日の証人喚問」と話をそらせたが、少なくとも、こんな人物を文科相にしてはいけないとだけはわかった。もっとも、故・後藤田正晴氏が「あの男だけは首相にしてはいけない」と言っていた「あの男」がいま首相だもんね。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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