更年期症状に悩む男性は6人に1人、600万人以上に達している。歌手の美川憲一(71)も真面目な顔でこう語った。「男性ホルモンが3分の1ですって。今までは具合が悪いということが1回もなくて、疲れたと思うとハイボール飲んだら元気になったのよ。ところが、昨年(2017年)1月から急にだるいなあと異変を感じるようになったの。やる気はあるんだけど、前のように元気な美川じゃなくなり、ネガティブになってしまった」
男性更年期専門外来を開いている「メンズヘルスクリニック東京」(東京・千代田区)の小林一広院長によると、男性の更年期障害は不規則な生活やストレスが強く関係しているので、患者も働き盛りの40代に多く、早い人で30代で始まる人もいるという。
要注意症状「笑わなくなった」「汗をかく」「やる気でない」
どんな症状が出ると要注意なのか。小林院長は次の10項目のうち7項目以上に当てはまる人は要注意という。「疲れやすい」「よく眠れない」「新聞が読めない」「ヒゲの伸びが遅い」「突然汗をかく」「肩こり・腰痛がある」「やる気が出ない」「最近笑っていない」「イライラしがち」「性欲がない」
「ニュース雑学おじさん」の堀尾正明キャスターは8項目も当てはまった。
「笑うのは番組でだけ。CM中に国分太一さん(司会)とテリー伊藤さん(コメンテーター)のギャグだけです」
と深刻そうに話す。
うつ病の症状に似ているが、小林院長は
「食欲が減退するうつ病に対し、男性更年期は食欲が旺盛のため、肥満の原因になります。放置すると心筋梗塞や脳卒中、認知症を引き起こす要因にもなりかねません」
と話す。
治療法としては、男性ホルモンの注射をしたり漢方薬もあるが、夜更かしをしない、適度な運動をする、リラックスを心がけるなど、生活習慣に気を付けることがまず大切だ。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト